イタドリもごく普通存在。でも、雌雄異株を知っている人はどれ位るのでしょうか?これは雌株で花のではなく実が実っている状態です。秋に実が鈴なりになって目立つのがこの状態です。このころが一番意識されるように思います。
これは銀山ダムの一角で見つけたものですが、最近コシオガマが至る所で見られるようになった気がします。もともと、県内では見られなかったのではないかと思っていますが、たとえば工事などで車や人の移動で持ち込まれて各所に生育してくるようになったのではないかと思っています。事実、コシオガマを見るのは決まって大きな道路などがあり、山道などではありません。私のいる里山フィールドミュージアム内でも数年前まで気付かなかったのがその後の工事が原因と考えていますが、今は道路わきにちょっとした群落を形成しています。
ごく身近な植物を取り上げていませんでした。里山にも普通にあるアカソです。県内広く生育していて当たり前ですから気にならない存在。花は地味で利用もほとんどなく、山野草を育成するにはむしろ邪魔な存在でいつも刈り払いの対象です。コアカソは低木扱いですが、アカソは茎の一部は木化するものの草本扱いされます。
イラクサ科は雌雄同株。アカソも同じで、雄の花序は茎の下方に、雌の花序は茎の上の方に着きます。例えば、スゲのような花序とは逆ですから、雌雄の配置の合理性はどちらがいいのか考えさせられます。これは、まだ枯れていない雌花で蕊らしきものが見えます。
法師温泉の入口の苔むした岩の上に見慣れないフウロウソウの仲間を見つけました。見た記憶がない種ですから帰化植物の一種かな?とも思いながら、持ち帰っての調べになりましたがどう検索しても在来種のヒメフウロに行き当たります。その説明が「西日本の石灰岩上に生育する」となっていますので、群馬県の山奥の法師温泉には分布状外れてしまいます。それに、石灰岩地帯でもありません。これはどういうことか?
帰化植物は最近のものが載っている図鑑などが手元にありません。最近入って来た種なのかとも疑いましたが、カメラに収めてきた各種の画像はやはりヒメフウロです。先人の分布上の記載が漏れていて、これは新発見かな?などと思ってみましたが、いろいろ調べているうちに、「近年各地に帰化している」という記述を見つけました。つまり、従来は石灰岩地帯に生育していたものが人の動きに合わせて石灰岩地帯でない場所にも適応拡散していったと解釈できます。こういう事例もあるのだなぁ・・とまた改めて植物の不思議を感じました。