これはミゾソバの芽生えです。湿った場所ならごく普通にある種ですが、その芽生えをしっかり確認できたのは今回が初めて。知っているつもりの種ごくありふれている種でもまだまだ知らない顔が沢山あるのだと知らされました。秋には幾分紅葉するものの芽生えの時からいい色彩を発していることに改めて感動です。
5月下旬、越後では川の土手や海岸に面した傾斜地、あるいは浅い里山の棚田周辺に大きな群落を見せるオオハナウド。里山フィールドミュージアムにも規模は小さいものの一定の個体が群落を作っています。かつてアシ原であったところも最近オオハナウドの方が勝っているような場所もあり、ボランティアの手も借りながらの保護活動で少しずつ見られる景観に育ってきました。
オオハナウドの花序は大型でとても見ごたえのある物。これは延々とある姿は新潟の一つの景色かもしれません。小さな花序がさらに集まって大型になりますが、専門的には複散形花序といいます。全体ではどれくらいの花があるのでしょうか。1000を超すのかもしれません。
丘陵公園の里山フィールドミュージアの尾根部分にはツツジの仲間も多く自生しています。先日レンゲツツジを確認して興奮したばかりです。これは、オオバスノキという比較的地味な種。コナラの混じる比較的明るい水はけのよい場所に生育しているように見えます。
葉に隠れるように花が咲いていました。赤みの強い花を咲かせる地域もあるのですが、ここはどれも薄い色で別の種ではないかと疑われてしまうほど。カクミノスノキ(ウスノキ)も自生していますが、両種の区別は果実を見ると明白なのですが、春の段階ではなかなか判断に苦しむケースもあります。
ササバギンランも思いがけない場所に発生しました。今までの自生地は年々衰え気味で心配していたのですが、朗報でした。今までの自生地は土壌中のラン菌の状態が変わったのか被圧植物の影響が大きいのか原因が不明。新たな場所は最近刈り払いを行い頻繁に人の出入りがあるところです。里山植物は人為的な作用を好むのでしょうか?大切にして保護しようとするとむしろ衰えてしまうのかもしれません。頻度を意識しながら適度に刈り払いなど行う方がいいのかもしれません。
今年はキンランの当たり年のようです。園内で花を見る個体は数株が良いところでしたが今年は数倍の数で花をつけた個体に出会います。印象として2~3年前に山作業をして刈り払いや草刈りを行った付近で花がある個体が多く見られるような気がします。盗掘でなくなることも多いのですが、今年に限ってはあまり散策されていないのかある特定のエリアに花の付いた個体がありました。