森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コシノチャルメルソウの種子

2017年06月12日 | 自然観察日記
花が終わり実がはじけて中から種子を飛ばそうとしているものがありました。口が開き切ると風などの揺れで中の種子がまき散らされるのでしょう。

オオバキスミレ

2017年06月11日 | 自然観察日記
越後の自慢できる花として私がよく引き合いに出すスミレです。黄色いスミレは太平洋側では極々一部を除いてみることができません。高山にはいくつかの種が見られますが、越後では里山で普通に見ることができると自慢しています。丘陵公園の里山フィールドミュージアムでも各所に自生していて普通に見ることができます。

オオバキスミレの花

2017年06月11日 | 自然観察日記
ところが、県内全域に分布しているように見えるオオバキスミレも見られない地域があるのです。佐渡、弥彦山塊、米山などでは採集記録が見つかりませんからおそらく自生していません。先日訪れた南魚沼の坂戸山には自生していないと現地のガイドさんが言っていました。確かに私が歩いた範囲でも見つかりませんでした。面白いことに坂戸山から少し離れた周りの地域には多数の採集記録があり私も確認した地点ありますから普通に見られるようです。こういった空白地域が県内でも多数ありそうで不思議な分布をする種だと最近思うようになっています。

昨年のタカアザミの枯れた株

2017年06月10日 | 自然観察日記
タカアザミという種があります。県内ではあまり見られない名前の通り高性のアザミです。昨年里山フィールドミュージアムで育てたものが枯れた状態でスギナなどの生い茂る草原に立っています。この種は二年生の草本という解釈で、発芽一年目は根生葉だけで花茎を立てず翌年スルスルと花茎を伸ばし秋に開花するという性質があります。高さは成長したものは2m以上にもなる種です。花は3cmほどの頭花が沢山下向きに付きます(「点頭する」といいます)。

枯れるはずの株から芽を出した個体

2017年06月10日 | 自然観察日記
今回、話題に取り上げた理由は二年生のはずが枯死する予定の株から芽が出ていることに気づいたこと。昨年育って開花したものの多くは枯れていますが、よく見ると茂った草に覆われながら昨年開花した株から芽が出て成長しているものがかなりあります。これでは「二年生」の種とは言えません。多年生の種扱いをしなければなりません。一般の図説や解説書とは現実は異なるということをここでも発見しました。書物を鵜呑みにしてはいけないという一つの教訓でしょうか。自然界には例外と言いますかこれまでの考え方とは異なる事象が沢山あると思っています。人が言ったことが正しいのではなく、目の前にある自然の対象が正しい。自然は奥が深いですね。だから面白いのです。

茎頂につぼみ(花)?

2017年06月10日 | 自然観察日記
さらに不思議なことはスルスルと伸びだした3年目の茎の先端に何やらつぼみのような構造体が見られます。それも、どの株もです。ノアザミは春に咲くアザミですからつぼみが上がってくるのは不思議ではありませんがタカアザミは秋のアザミ。五月の段階でつぼみとはどう考えても不自然です。

つぼみ(花)? 拡大

2017年06月10日 | 自然観察日記
どのつぼみをみても奇形です。整った形状のつぼみを探しましたが無いようです。雰囲気はつぼみ(花)なのですが、つぼみ(花)ではないのかもしれません。こんな奇形でも開花するのかどうか、継続観察を行っていくしかありません。その後の変化を後日お知らせできたら行いたいと思います。
本来のタカアザミの株は種子が発芽したものは小さいながら順調に根生葉を出して生育しています。一作年に発芽したものは現在はまだやや大きめですが根生葉のみを出していて生育中です。秋に花茎を伸ばすはずです。

タカアザミの狂い咲き

2017年06月10日 | 自然観察日記
2週間後、ついに秋に咲くとされるタカアザミが咲きました。越年草とされるタカアザミは花を咲かせた株が越冬すると生き残る場合は春に再び開花する!すべての個体がそうなるわけではありませんが越冬した株がかなりあることも驚き。その中に狂い咲きで春に花を見せる個体も生じるということも驚きです。

エゾタンポポ

2017年06月09日 | 自然観察日記
外来のタンポポがはびこっているなかでも里山フィールドミュージアムには在来のエゾタンポポが自生しています。古民家や田畑がある里の水辺区周りは西洋タンポポがはびこっているもののやや林の中や花湿地と言われる水辺周辺に見られます。在来のタンポポが生育している姿を見るとどこかホッとしてしまいます。

シロバナタンポポ

2017年06月08日 | 自然観察日記
もうとうに花の時期は過ぎていて間の抜けた話材になりそうなのですが、丘陵公園の里山フィールドミュージアムにひょっこり現れたシロバナタンポポです。以前県内で2回見た記憶があります。弥彦近辺と長岡の栖吉当たり。まだかなりあるのでしょうが、その後私は出会っていません。数年前の工事の際にどこからか紛れてきたものが交流館前の芝地に根を下ろし開花したものです。刈り払いなどしないようにして様子を見ていることもあって年々株は大きく成長してきて種子も周辺に飛散し白花の個体もいくつか見られるようになっています。しかし、ドッと増えるようなことがないので危険な種ではないと考えています。外来のタンポポのような激しさがありません。大和撫子のようにどこか控えめです。

シロバナタンポポの花

2017年06月08日 | 自然観察日記
やはり新潟の人は白いタンポポを見ると驚き珍しそうに見ていきます。面白いことに在来のタンポポは北は黄色の花南は白い花といったようになっていて、昔九州に旅行で行った時には白いタンポポしか見られないのに内心驚いたものです。だから、九州の人にタンポポは何色?と聞けば白と答えるのではないかと思うほどです。専門の人に言わせるとタンポポは200種くらいは分類できるのだそうで軽々には語れないのですが、新潟の在来種は黄色い花のエゾタンポポ、関東圏には黄色いカントウタンポポ、関西辺りでは黄色いカンサイタンポポといった具合で本州はだいたい黄色で統一されているようです。