わが家の入口にいつのまにか大きくなって花が咲き出した「ノリウツギ」。そばに「ウノハナ」が咲いていたのでそれと同じように見ていて見過ごしていたらしい。以前、邪魔だと当局が撤去しようとするのを阻止したのが良かった。花が咲くまでその美しさがわからなかった。さっそく、花瓶に挿して眺めることにする。
「ノリウツギ」は、その名の通り、樹液から糊を取り出し和紙の材料にするところから名前がついた。花は装飾花だが、そこには葉脈があるのでわかる。本物の花はガクアジサイと同じく小さな玉のなかにある。一般的なアジサイと違うのは、花がだんだん円錐状になる点だ。最初はランダムに咲くのでアジサイの仲間だとは思えないほど花の統一感がない。後半にはカシワバアジサイのようになり、秋以降も花を楽しめる。
アイヌは「サビタ」と呼んで、その根っ子をタバコのパイプにして「サビタのパイプ」として珍重した。そのほか、傘や杖の柄としても利用された。さらにはその枝は強靭なので縄としても活用された。当局が引っ張ったり折ろうとしてもなかなか折れなかったのを思い出す。裏山にもいくつか自生しているのがわかった。しかし、乱雑に咲くので気がつかなかったり、その価値がとらえにくい。それを園芸種にしているのが市販もされている。もう少し見直したい「ノリウツギ」(アジサイ科、ユキノシタ科)だった。