雨が止んでいるときをチャンスに国道を歩く。車だと「見落とすこと」がある。オイラがかねがね注目していたジャーナリストの斎藤茂男は事件現場を車ではなく歩いて回ると見えてくる背景があるという。それはテレビで毎日のように垂れ流している殺人事件ドラマにもこの視点がない。
さて、運動を兼ねて歩いていたらガードレール近くの葉の上に見たことのないチョウがじっとしていた。黒地に白と赤の斑紋が鮮やかだった。
いくつかの図鑑で調べてみてもどうも該当しない。強いて言えば、尾状突起のない「ナガサキアゲハ」に似ている。パソコンで調べていくうちに、ついにそれは「アカボシゴマダラ」(タテハチョウ科)であることがわかった。これは中国産の外来種を人為的に放蝶したらしい。主に関東圏が中心だが、静岡市にも侵出、浜松市にも2年ほど前に確認されたという。
赤い斑紋は夏型で、春型は白黒だけの斑紋だそうだ。アサギマダラのような模様にも似ていて繁殖力も強いようだ。きっとこれから、お目にかかる機会が増えるかもしれない。ただし、在来種のゴマダラチョウが駆逐されてしまう危険もあり、特定外来生物に指定されてもいる。歩いてこそ出会える発見ストーリーだった。帰化植物の図鑑はあるものの外来動物専用の図鑑が必要になってきているようだ。