昨日の夕方のこと、歯医者へ通ってからの帰り道だった。山が迫ってくるわが家への道はだんだん霧が出てきたので、車の運転を慎重にしていく。橋を渡るときの天竜川は川霧にすっぽり包まれていた。たまたま見つけた「橋に来て川霧川をあふれけり」という角野良生さんの俳句にぴったりの風景だった。
夕方なので濁った濁流は霧のためよく見えなかったが、もちろんいつもより急流ではある。いつもだったら砂利が見える川岸も消滅していた。近くにあるキャンプ場のテントも視界から消えている。すべてがあふれる川霧の静寂に飲み込まれている。
都会の道路面はやや乾いていたのに中山間地に差し掛かると大雨がポンコツカーを叩きだす。たまった雨水を左右に飛ばしながら前進するしかない。数日前には、倒木で電線がひっかかり中部電力やパトカー3台が修復に貢献している光景をこの近くで見たばかりだった。 フォグランプを頼りにゆっくり林道のような狭い国道を縫っていく。人間にとってこういう時は光が必要であることを痛感する。
無事家に到着したがわが裏山の土砂崩れがないよう祈るのが日常となった。寝る場所も山側でない所となっているのもフツーとなった。