昨日は久しぶりの焚き火完遂で気を良くしていたが、夕方たまたまコンニャク畑を見たところ、イノシシが暴れまわっていたのがわかった。暗くなる前にあわてて、植え直したり、まわりの草刈りをしておく。敏感なイノシシは人間の手がすぐさま入ると慎重な行動になることが多いからだ。それが相手への警告サインでもあるのだ。
しかしそれは大いに外れた暢気な予想だった。翌日二度目の襲撃があり、50本近くあったコンニャクの苗は数えるほどしか残っていなかった。まるで苗を倒していくのが目的にさえ見えた。ただしよく見るとコンニャク玉は食べていないのがわかった。一部かじったような形跡もあったが有毒のコンニャクを食べれば相当な打撃があるはずだ。人間が生で食べれば救急車で運ばれるほどの症状となる。
つい数日前には、2年生のコンニャクは見事なジャングルを形成していた。3年生のコンニャクは背の高さに迫る大きさだった。それなのに…。
有毒のコンニャク畑にくるイノシシの狙いはミミズだった。そういえば、このところ、無農薬や有機農法の成果かミミズがかなり多くなっているという実感を持っていた。だけど、イノシシにとって小さいミミズでは腹の足しになるのだろうか。
ため息をつきながら畝をちょっぴり平たくしていく。掘り返してみると、驚くほどミミズの姿が消えている。こうなったら、「ミミズ食べ放題だよ」と開き直る。ただし、無事だった40本近くの苗を植え直さなければならないがどうしたらよいか戸惑ってしまう。「くそ忙しいというのに余計な仕事をくれたものだ」と、ため息をつきながら被災地の人の気持ちを想う。