わが畑が荒野だったころにはよく見かけた「フキバッタ」を久しぶりに発見。翅が退化しているので近づいても飛んで逃げることはなかった。後足のももが一本取れていたのでじっとしていたのかもしれない。ふつうは緑色が基調だが本個体は茶色だった。フキバッタがなぜ翅を退化したのかいくつか調べたが、その理由の説明がほとんどなかった。まだ研究が進んでいないようだ。予算が経済効率ばかりが優先されているからだろうか。
ふつうのバッタ類は、イネ科などの単子葉植物を食べるが、フキバッタはフキやクズなどの双子葉植物を食草とする。生き残り戦略をそうすることで飛んでいく必要がなくなったので翅が退化したのかもしれない。また、翅を退化したことで移動範囲が狭くなり、地域固有種が分化していくことになる。しかし、地域開発の進行によりそれぞれ絶滅の運命にあったため、その存在が自然環境の指標ともなっている。
そのすぐ近くに、「イチモンジチョウ」(タテハチョウ科)が休んでいた。雨は霧雨だったせいか翅を広げて守備範囲を主張しているようだ。そういえば、よく飛来する「ミスジチョウ」も同じ所ばかりを飛んでいるのも縄張りを主張するためであったかと納得する。後翅の白紋は滲んでいるのも特徴だ。