エッセンシャル・キリング
2010年/ポーランド=ノルウェー ほか
‘エッセンシャル・キリング’という枷の効用
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
上空をアメリカ軍のヘリコプターに、地上でも3人のアメリカ兵に追い詰められていた、アッラーを信仰している主人公のムハンマドが、既に死亡していた兵士からバズーカ砲を奪い、3人のアメリカ兵を吹き飛ばすという構図は、既存のイスラムとアメリカの対立と結び付けて捉えがちではあるが、極力政治色は排除されており、まるで紛争というものは主義主張ではなく、ムハンマドがアメリカ軍のヘリコプターから受けた弾頭の爆破により耳が聴こえなくなる、あるいは出血過多により視界が悪くなるという後遺症によるコミュニケーションの不具合により起こるもののように描かれている。その結果、ムハンマドはタイトル通りに「欠くことができない殺害」を遂行しながら逃げ続ける。
ムハンマドが殺す相手は、自分に向かってきそうな男や動物であり、男でも老人であれば、動物でも襲ってこなければ殺すことはなく、当然女性や子供を殺すことはない。
ようやくムハンマドはマーガレットという女性に助けられることになるが、タイトルを勘案するならば‘主人公’はここでマーガレットに変わっていると思う。まるでムハンマドの意志を継ぐようにマーガレットは、出来るだけムハンマドを殺さないように努める。家に訪ねてきた警察官にムハンマドの存在を知られないようにし、ムハンマドの傷の手当てをした後に、白馬を用意してムハンマドを送り出す。聾唖者ではあってもそのまま送り出せばムハンマドが死ぬことは分かるはずであるが、徹底した‘エッセンシャル・キリング’というストイックさこそが活劇を生み出すのである。
わしは秋葉原超えた…マツダ12人殺傷の被告(読売新聞) - goo ニュース
マツダ本社工場連続殺傷事件の被告である引寺利明は、「わしは秋葉原を超えた」と知人
に話していたようであるが、被害者の数で比較するならば、死亡者1人、重軽傷者11人に
対して、秋葉原通り魔事件においては、死亡者7人、負傷者10人であり、何をもって
“超えた”と言っているのかはよく分らない。さらに秋葉原通り魔事件は論壇を賑わせ
ムック本まで出版される“盛況振り”であったが、地方の工場で起こった事件であることや、
当時の犯人の年齢が40歳を超えていたこともあり、マツダ本社工場連続殺傷事件では
知識人といえども読者を引きつける魅力的な“物語”を作ることが難しかったようである。