原題:『Grudge Match』
監督:ピーター・シーガル
脚本:ダグ・エリン/ティム・ケルハー/ロドニー・ロスマン
撮影:ディーン・セムラー
出演:ロバート・デ・ニーロ/シルヴェスター・スタローン/ケヴィン・ハート
2013年/アメリカ
ギャグに終始した「因縁の対決」について
『ロッキー』(ジョン・G・アヴィルドセン監督 1976年)の主人公であるヘビー級ボクサーのロッキー・バルボアを演じたシルヴェスター・スタローンと、『レイジング・ブル』(マーティン・スコセッシ監督 1980年)の主人公であるミドル級ボクサーのジェイク・ラモッタを演じたロバート・デ・ニーロとの「夢の対決」は、作品冒頭でそれぞれの作品のフッテージを上手く使用し、作品中もパロディーをちりばめており、例えば、若い頃は自ら大量の生卵を飲んでいたスタローンは、本作ではコーチのライトニングに無理やり飲まされたり、あるいは冷凍の生肉を打つことは禁止されるなどギャグは上手く、クライマックスの試合のシーンもノックダウンした相手をそれぞれ手を貸して立たせるなどギャグに終始し、もちろんコメディ映画なのだからそれで良いとは思うが、かつてのような驚きや感動を期待して観に行った人はがっかりするだろう。『ロッキー』や『レイジング・ブル』を観なおした後に、もう一度観ればさらに面白くなるとは思うが、そこまでの気になるような作品ではない。何故もう少し早くヘンリー・“レイザー”・シャープとビリー・“ザ・キッド”・マクドネンの試合が実現できなかったのだろうか?