MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ローン・サバイバー』

2014-04-02 23:21:16 | goo映画レビュー

原題:『Lone Survivor』
監督:ピーター・バーグ
脚本:ピーター・バーグ
撮影:トビアス・A・シュリッスラー
出演:マーク・ウォールバーグ/テイラー・キッチュ/ベン・フォスター/エミール・ハーシュ
2013年/アメリカ

教訓と化す生き残れた理由について

 2005年6月27日にタリバンの幹部の暗殺を目的とする「レッド・ウィング作戦」のために敵地アフガニスタンの山岳地帯に偵察傭員として派遣された4人のネイビー・シールズの隊員が遭遇した悲劇が描かれている。本作は唯一生き残ったマーカス・ラトレル二等兵曹は2日後の29日に救出され、3日間の物語となっているが、実際は、翌月の中頃までかかったようである。
 しかし観賞した後味としては決していいものではない。それは特殊部隊の4人がタリバンのグループに追い詰められた際の死闘のシーンがリアルであるとかいう以前に、武器を持たない3人の村人を殺さずに解放しようと主張したマーカスは生き残ったが、多少なりともそれに反対していた残りの3人が殺され、あるいは敵に追われている者は誰でも助けるようにと教えさとす「パシュトゥーン掟」を守ってマーカスを助けたモハマド・グラーブは息子と共にタリバン兵たちとの銃撃戦の中で生き残れたが、多くの仲間たちは銃殺され、まるで「教え」を忠実に守れた者だけが、神から選ばれたように救われるという事実が存在するからで、2人が生き残れた原因は偶然でただ運が良かっただけという言説が許されないような雰囲気だからである。エンディングに流れる「ヒーローズ("Heroes"))」が威勢の良いデヴィッド・ボウイのヴァージョンではなくて、内省的なピーター・ガブリエルのヴァージョンが使われたことがせめてもの救いであろう。


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「笑っていいとも」終了の理由

2014-04-02 20:20:18 | Weblog

中居正広涙浮かべ「バラエティーって残酷」 タモリに感謝(デイリースポーツ) - goo ニュース

 「バラエティーって残酷なものだと思います。歌の世界にはツアーで最終日があり、ドラマ

もオールアップ、映画もクランクアップがある。ゴールを仮定して進んでる。でもバラエティー

は終わらないところを目指してやるジャンルなのかな」という、SMAPの中居正広の意見は

一理あると思う。面白くなければすぐに終了させられてしまうバラエティー番組は確かに

残酷なものであるのだが、果たして「笑っていいとも」がただのバラエティー番組だった

のかどうかは、タモリがただのお笑いタレントなのかという問題同様に解釈が難しいと思う。

「笑っていいとも」が終わりそうで終わらなかった要因はタモリ同様にまるで「鵺」

のように、スタイルを変化させ捉えどころを見せず、だから今日は何をするのかと思わせ

つい見てしまったからではなかったのか。だから香取慎吾が言うように何故番組が終了する

のか誰にも分からないのであるが、「空気」がそうさせたのだとするならば、日本は

いつまでも呑気に笑っていられない時期に差し掛かっているのかもしれない。


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