原題:『精武門』 英題:『Fist of Fury』
監督:ロー・ウェイ
脚本:ロー・ウェイ
撮影:チェン・チンチュー
出演:ブルース・リー/ノラ・ミャオ/ティエン・フォン/橋本力/ボブ・ベイカー
1972年/香港
武術の荒さに伴う謎のカットについて
今改めて観なおしてみると、主人公のチェン・チェンの師匠の霍元甲(フォ・ユァンジャ)を創始者とする中国拳法を教える「精武館」でも敵役となる日本の空手の道場である「虹口道場」においても、ブルース・リー以外に実際に武道をたしなむ人がいるのだろうかと思うくらいに殺陣のシーンが荒い。特にロシア人の用心棒のペトロフのデモンストレーションは武術というよりも奇術であるのだが、ラストでチェンを銃殺するために外で待ち伏せしていた男たちはペトロフの仇をとるためのロシアのマフィアであろう。
道場の調理場の料理人のティエンとフェンの会話を外で盗み聞きしたことで霍元甲が毒殺されたことをチェンは知る。実はティエンが日本人であることが分かった時に、ティエンのはだけた胸がアップで映し出され、ティエンが服で隠そうとするのであるが、どのような意図を持ったカットなのか『世界ブルース・リー宣言』(江戸木純著 洋泉社 2010年7月31日)でも確認してみたが、今もって分からない。