MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ウエスト・サイド・ストーリー』

2022-04-05 00:45:53 | goo映画レビュー

原題:『West Side Story』
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
撮影:ヤヌス・カミンスキー
出演:アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー/アリアナ・デボーズ/マイク・ファイスト/リタ・モレノ
2022年/アメリカ

名作を洗練させるための「ハードル」について

 オリジナルの『ウエスト・サイド物語』(ロバート・ワイズ/ジェローム・ロビンズ共同監督)は1961年に公開されているが、その後、『イン・ザ・ハイツ』(ジョン・M・チュウ監督 2021年)という秀作をスピルバーグ監督は無視するわけにはいかなかっただろうから、ラストシーンはあのようになったのだと思う。
 しかしこれで「ところが、『ウエスト・サイド物語』は、じつはどうも好きになれませんでした。なぜかというと、それまでミュージカル映画というと、ひとりの人がみごとに踊っているのをキャメラがじっと撮っていたんですが、『ウエスト・サイド物語』は、出演者のみんながいい加減に踊っていても、キャメラは、それを断片的に撮って、後から編集すればみんなが踊っているように見えるだろうという感じの映画なのです。ですから、アステアのようにみごとに踊ってそれをわれわれが見るのではなく、かなりデタラメに踊っているところを編集でうまくつなげるとそれなりに見えてしまう。ということで、『ウエスト・サイド物語』にわたくしはカチンときたのですが、」(『アメリカから遠く離れて』 瀬川昌久、蓮實重彦共著 河出書房新社 2020.12.2 p.255-256)と文句を言っていた映画批評家は満足したと思う。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-126646


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