MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『偶然と想像』

2022-04-19 00:54:24 | goo映画レビュー

原題:『偶然と想像』
監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介
撮影:飯岡幸子
出演:古川琴音/中島歩/玄理/渋川清彦/森郁月/甲斐翔真/占部房子/河井青葉
2021年/日本

長編の「原点」としての短編について

 第一話「魔法(よりもっと不確か)」、第二話「扉は開けたままで」、第三話「もう一度」の三作品から成る短編集である。第一話における主人公の芽衣子とつぐみがタクシー内で語り合う場面、第ニ話で56歳で芥川賞を獲った大学教授の瀬川幸治を訪ねて行って受賞作を朗読する村山奈緒、第三話において主人公の樋口夏子と小林あやが昔を思い出すために芝居をする場面など、長編『ドライブ・マイ・カー』の要素が詰め込まれているところが興味深い。
 監督本人はジョン・カサヴェテス監督を研究していたようだが、本作はエリック・ロメール監督のようなアイロニーと秀逸なストーリーテリングを彷彿させる。『白い牛のバラッド』(マリヤム・モガッダム/ベタシュ・サナイハ共同監督 2020年)において秀逸なパンを見たばかりだが、本作の第一話で使われていたズームインとズームアウトの使い方も秀逸だと思う。
 ところで濱口竜介監督の『寝ても覚めても』(2018年)は監督の責任ではないものの監督の「黒歴史」として扱われているのだろうか?
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-107040


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