MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』

2014-01-04 00:48:40 | goo映画レビュー

原題:『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』
監督:金子文紀
脚本:宮藤官九郎
撮影:山中敏康
出演:岡田准一/櫻井翔/岡田義徳/佐藤隆太/塚本高史/酒井若菜/薬師丸ひろ子
2006年/日本

「ばいばい」で終わる青春

 ギャグやモノマネなどを除くと本作の引用は『フィールド・オブ・ドリームス』(フィル・アルデン・ロビンソン監督 1989年)くらいであり、「野球の試合」というフォーマットは変わっていないのであるが、前作『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』(2003年)と大きく違うところは、その「試合運び」である。前作においては一回表からテンポよく「試合」が進行していたのであるが、本作は一回表から一回裏までにかなりの時間が取られている。それはやがて分かるように3年前に死んだはずの「ぶっさん」こと田渕公平がゴーストとしてメンバーたちに気がつかれるまでまで時間がかかり、ゴーストストーリーとして「裏」が始まらなかったからである。
 前作のようなオジーの「黄泉がえり」とは違い、本作においてはぶっさんもオジーも本物のゴーストとして現れるのであるが、木更津キャッツアイのメンバーたちに請われて現世に来たにも関わらず、いつまでもいるぶっさんは、メンバーたちのみならず、妻のユッケにも疎ましがられる。死んだぶっさんの面影にいつまでも囚われていては自分たちは大人になれないことをメンバーたちは気がついたに違いない。彼らの青春は既に3年前に終わっていたのである。


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