原題:『David Byrne's American Utopia』
監督:スパイク・リー
脚本:デヴィッド・バーン
撮影:エレン・クラス
出演:デヴィッド・バーン/カール・マンスフィールド/マウロ・レフォスコ/アンジー・スワン
2020年/アメリカ
最高の知性と身体のしなやかさを持つミュージシャンについて
トーキング・ヘッズ時代の『ストップ・メイキング・センス』(ジョナサン・デミ監督 1984年)のコンサートフィルムからデヴィッド・バーンが自ら手掛けた『トゥルー・ストーリーズ』(1986年)を経て、それら対照的なタイトルの作品を制作した経験が結晶として本作に繋がったように感じるが、一方で、トーキング・ヘッズ時代からサポート・メンバーを多数起用していたから、このような多国民のバンド編成はバーンの音楽的センス同様の趣向なのであろう。
「Everybody's Coming to My House」の逸話が印象的だった。この曲を子供たちが合唱した際に、いかにもホスピタリティ満載だったのに対して、自分の歌にはそのような感じがなく、どちらかと言えば「早く帰って欲しい感」があったことで歌い手によってイメージが全く変わってしまうというのである。しかしそれはバーンの厭世の問題というよりも子供と大人の違いなのではないだろうか? デヴィッド・バーンの「レイジー」を和訳しておきたい。
「Lazy」 David Byrne 日本語訳
俺は不埒で怠け者
おまえは俺を助けたくないのか?
俺は恋をしていても怠け者で
遊んでいても怠け者
俺は一日に数え切れないほど恋人に逢っても怠け者
俺は踊っていても怠け者で
会話をしていても怠け者
俺は口を開ければマシンガンのように言葉を放つ
何もない、何もしない、絶対に
どうやっておまえは俺を好きになるんだ?
悪化するかもしれないし
好転するかもしれない
怠け者、幸運な女性、踊る、いつまでも愛している
俺は不埒で怠け者
おまえは俺を助けたくないのか?
収入を得る仲間もいれば
甘い生活を送る仲間もいる
一大決心をする仲間もいれば
通りを掃除する仲間もいる
どういう感じか想像してみよう
どのような音を発するか想像してみよう
人生が完璧で全てが上手くいくことを想像してみよう
俺の目から涙は零れない
心の内には全ての痛みを抱えている
俺と共に生きていきたくはないのか?
俺は人間ができる限りの怠け者だ
俺は不埒で怠け者
おまえは俺を助けたくないのか?
恋人がいることを想像しよう
仕事があることを想像しよう
答えがあることを想像しよう
神がいることを想像しよう
悪魔がいることを想像し
聖者がいることを想像しよう
お金をダラダラ使い
魅力はダラダラ流れ
ダラダラは宇宙を越える
俺の目から涙は零れない
心の内には全ての痛みを抱えている
俺と共に生きていきたくはないのか?
俺は人間ができる限りの怠け者だ
俺は不埒で怠け者
おまえは俺を助けたくないのか?
俺は仕事中も怠け者で
ベッドの上でも怠け者
おまえが好きなものは何でも叫ばずにいられないが
ただ消え去るのみ
俺は祈っている時も怠け者で
仕事中も怠け者
怠惰な気分でいて焦点も怠惰で
怠惰な父親までいる
辣腕の男たち
熱烈な人生
精力的に心の中に全てを抱え込む
善き時間、善き神
俺は怠惰過ぎるから停止しようとしている
俺は不埒で怠け者
おまえは俺を助けたくないのか?
俺は不埒で怠け者
おまえは俺を助けたくないのか?
X-Press 2 Ft. David Byrne - Lazy [OFFICIAL VIDEO]
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