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原題:『AWAKE』
監督:山田篤宏
脚本:山田篤宏
撮影:今井哲郎
出演:吉沢亮/若葉竜也/落合モトキ/寛一郎/馬場ふみか/森矢カンナ/中村まこと
2020年/日本
コンピュータよりも共感しにくい人間の心理について
将棋に関しては駒の動かし方しか知らないのだが、それでも例えば、将棋のタイトル戦などは七番勝負であって主人公の清田英一がライバルの浅川陸に一度負けただけで将棋を止めてしまう心理がよく分からない。そもそも清田は幼少の頃から母親がいなくて、その原因も明らかにならないのだが、英一を育てている父親の職業も不詳で、なかなか英一に共感しにくい。
クライマックスの将棋電王戦の展開も分かりにくいと思う。浅川との将棋電王戦前に清田が開発したコンピュータ将棋ソフト「AWAKE」には弱点が見つかっていたのだが、それを修正しないまま電王戦に臨む清田も理解しにくいが、プロとしての矜恃を捨ててまで周知の事実である「AWAKE」の弱点をついていく清田の心理も理解しにくい。
さしずめこの電王戦は1976年に行われた「アントニオ猪木対モハメド・アリ」戦といったところであろう。勝負は既についていたのであるが、二人とも体面を保つことを選んだのである。