原題:『不死身ラヴァーズ』
監督:松居大悟
脚本:松居大悟/大野敏哉
撮影:冨永健二
出演:見上愛/佐藤寛太/落合モトキ/大関れいか/平井珠生/米良まさひろ/青木柚/前田敦子/神野三鈴
2024年/日本
「都合よく」使われる「健忘症」について
本作が漫画を原作とし、なおかつファンタジー作品だと仮定した上で書いておくのだが、例えば、主人公の長谷部りのと甲野じゅんが同じ大学の友人たちとバーベキューをしに行ったのは2024年5月11日の土曜日である。そうなると翌日はほぼ確実に大学の授業はあり得ないはずだが、何故か彼らは日曜日に授業に出席して、じゅんが前日の記憶を失っていることにりのが気付くことになる。あるいはやはり友人たちと二次会でカラオケに行って、結局寝てしまったじゅんをりのが「一人」でじゅんの自宅まで届けるのであるが、どのようにして大柄の男性を運んだのであろうか?
そもそもじゅんがどのようにして大学受験をパスして入学できたのかもよく分からない。要するにじゅんの「健忘症」の程度がどれほどのものか明確にされないので、ここでも病気がラブストーリーを盛り上げるために「都合よく」使われている感じが拭えないのであるが、曜日間違いや重力の無視は監督自身の「健忘症」によるものであろう。どうせ気がつかないだろうといい加減に演出されているとバカにされるために入場料を払ったように感じてしまう。
しかしそれにもかかわらず熱演している見上愛のギターの弾き語りを見るだけでも価値のある作品と言っておきたい。
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