MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

「Don't Ask Me Questions」 Graham Parker 和訳

2017-05-21 00:17:42 | 洋楽歌詞和訳

 ところでグレアム・パーカー(Graham Parker)の代表曲といえば、デビューアルバム

『ハウリン・ウィンド(Howlin' Wind)』に収録されている「Don't Ask Me Questions」だと思う。

以下、和訳してみる。

「Don't Ask Me Questions」 Graham Parker 日本語訳

深紅の肉筆が俺たちが残してきたものだ
俺たち人間はあらゆる場所に足跡を残してきた
迷彩色で覆った顔の主戦論者たちが
高らかに笑いながら群衆の中に「上手い食べ物」を放って
その場所を爆破する

神よ、俺に尋ねるな
神よ、俺に質問をするな
神よ、どうか俺に訊かないでくれ
神よ、俺に尋ねるな
神よ、俺に質問をするな
神よ、俺は答えなど持ち合わせていないのだから

俺は自由を擁護するが自由になることができない
苦悶に閉じ込められた俺は
先に行くあなたを見ている
これは誰の裏切りなんだ
俺は血まみれの手を添えて叫んだ
あなたなのか、俺なのか?
俺には理解しようがない

神よ、俺に尋ねるな
神よ、俺に質問をするな
神よ、どうか俺に訊かないでくれ
神よ、俺に尋ねるな
神よ、俺に質問をするな
神よ、俺は答えなど持ち合わせていないのだから

叫びながら崖に突進する数えきれない人々を俺は見る
まるで海に飛び込み溺死するレミングのようだ
力強く手を振って尊いルールをぶち壊す奴は誰なんだ
そいつは分かっているに違いない
全ての愚か者たちに止めを刺した奴のことを

神よ、俺に尋ねるな
神よ、俺に質問をするな
神よ、どうか俺に訊かないでくれ
神よ、俺に尋ねるな
神よ、俺に質問をするな
神よ、俺は答えなど持ち合わせていないのだから

俺が答えられる訳がない
俺が答えを知っている訳がない


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「Discovering Japan」 Graham Parker 和訳

2017-05-20 00:08:25 | 洋楽歌詞和訳

 グレアム・パーカー(Graham Parker)は運が悪いミュージシャンだと思う。先にデビューしたにも

関わらず、曲調のみならず歌声もエルヴィス・コステロ(Elvis Costello)と被ってしまい、そうなると

楽曲の良し悪しによって必然的にコステロがパーカーを凌駕してしまったのである。

 パーカーのライブDVDを観ていたら「Discovering Japan」という曲があり、パーカーが日本で

何を「発見」したのか興味がわいたので以下、和訳してみる。

「Discovering Japan」 Graham Parker 日本語訳

彼女(=日本)の心は壊れようとしている
地球は揺れようとしている
東京のタクシーはブレーキをかけ
けたたましい音をたてながら停まる
重力が君の感覚を狂わせ
キスが君を虜にする時
すがるものは何もない
核が影を落としている間
彼女の心が成長するのがどれほど大変なのか彼女には分かっている
あらゆる強い衝動の後に真実のようなものが出現した時
僕たちは致命的な感情の高ぶりを感じた

日本を発見した
日本を発見した
米兵たちだけが日本を食い物にする
米兵たちだけが日本をなぶる
東側で交わされた約束を彼らは守りようがなかった
彼らの冗談と笑顔の間には計り知れない距離がある
彼女は米兵たちの厳しい拒絶を聞いた

彼女の顔の頬から涙がこぼれ落ちる時
僕は違う人種の言葉を口にしながら目覚めた
飛行機が着陸した時
僕の時計は8時2分を指していたが
君には真夜中なんだ
君にとっては真夜中なんだ
時差ぼけのパナヴィジョンの中
真っ逆さまに墜落する夢を見た
僕は「サヨナラ」と叫んだけれど
それは別れを意味する訳ではなかった
でも恋人たちは難問を調べて
まるで旅行パンフレットのように
映画の一コマ一コマに晒す
日本を発見した
日本を発見した

 グレアム・パーカーが「発見」した日本は予想外にシリアスなものだった。


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『スプリット』

2017-05-19 20:45:00 | goo映画レビュー

原題:『Split』
監督:M.ナイト・シャマラン
脚本:M.ナイト・シャマラン
撮影:マイク・ギオウラキス
出演:ジェームズ・マカヴォイ/アニヤ・テイラー=ジョイ/ジェシカ・スーラ/ベティ・バックリー
2016年/アメリカ

「ビースト」よりも質の悪い男について

 多重人格者のケヴィン・ウェンデル・クラムを演じたジェームズ・マカヴォイの熱演は高く評価されるべきものであろう。デニスやビリーという男性のみならず、女性のパトリシアや9歳の男の子のヘドウィグ、さらには「ビースト」と呼ばれる人間を超えた生き物にさえ鮮やかに変身するのであるが、本作で最も恐ろしい事は、ラストにおいて拉致から一人生き残って救出された主人公のケイシー・クックを迎えに来た人物が、まだ幼い頃に実の父親を亡くした後に父親の代わりにケイシーを育ててくれた叔父なのだが、その叔父はケイシーを引き取った後にケイシーに、それを見た「ビースト」でさえ気の毒に思って殺すことを止めたほど身体中に跡が付くほどずっと性的虐待をしているという事実の方なのである。


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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

2017-05-18 00:28:10 | goo映画レビュー

原題:『Guardians of the Galaxy Vol. 2』
監督:ジェームズ・ガン
脚本:ジェームズ・ガン
撮影:ヘンリー・ブラハム
出演:クリス・プラット/デイヴ・バウティスタ/ゾーイ・サルダナ/カート・ラッセル
2017年/アメリカ

「過激化」するアンチヒーローたちについて

 2014年公開の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編である本作は、『デッドプール(Deadpool)』(ティム・ミラー監督 2016年)の出現もあって、「アンチヒーローもの」としてかなりハードルが上がっていたはずだが、期待に違わない「活躍振り」である。
 例えば、主人公のピーター・クイルが母親の仇を討つと同時に、同じようなレベルの感情でウォークマンを壊された怨念を込めて実の父親を名乗るエゴと対決したり、もはや神の領域に届くように自身が惑星と化していくエゴの心臓部分に原始的な時限爆弾を取り付けて倒そうとするロケットとベビー・グルートの「時代錯誤感」こそが本作の醍醐味なのである。
 相変わらず選曲も良いのだが、ここではセリフの都合で字幕翻訳が途中で切れていたキャット・スティーヴンス(Cat Stevens)の「父と子(Father and Son)」を和訳しておきたい。

「Father and Son」 Cat Stevens 日本語訳

(父親)
今は変わる時期ではない
焦らずにリラックスするんだ
おまえはまだ若いがそれが欠点でもある
おまえが知るべきことはたくさんある
ガールフレンドを見つけて身を固めろ
おまえがしたいなら結婚だってできる
俺を見てみろ
俺は年寄りだが幸せにやっている

昔の俺は今のおまえのようだったから
何か嫌なことが起こっていることが分かった時に平静でいることが
楽ではないことは分かってはいるが
時間を取って考え抜くんだ
おまえが手に入れるもの全てについて考える理由は
おまえ自身は明日はまだここにいるだろうが
おまえが見る夢もここにあるかどうかは怪しいからだ

(息子)
僕は説明するためにどのように努力すればいいのだろうか?
僕が説明しようとすると彼はまたそっぽを向いてしまう
いつも同じことの繰り返し
僕が言葉を発するようになってからは無理やり小言を聞かされた
今は道があり
僕は立ち去らなければならない
僕はそこを通る宿命なんだ

(父親)
今は変わる時期ではない
ただ座って落ち着いて行動するんだ
おまえはまだ若いがそれが欠点でもある
おまえが経験しなければならないことはたくさんある
ガールフレンドを見つけて身を固めろ
おまえがしたいなら結婚だってできる
俺を見てみろ
俺は年寄りだが幸せにやっている

(息子)
僕が泣き叫んでいる時はいつでも
分かっていたことは全て胸にしまい込んでいた
それはたやすいことではないけれども
それを無視する方が却って難しいのだから
もしも彼らの方が正しいのなら
僕は同意はするけれど
彼らは僕のことは分かっていないんだ
今は道があり
僕は立ち去らなければならない
僕はそこを通る宿命なんだ

 Yusuf / Cat Stevens - Father & Son


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「Peg」 Steely Dan 和訳

2017-05-17 00:56:08 | 洋楽歌詞和訳

The Dukes Of September - Peg

 14日のBS-TBSの「SОNG TО SОUL」でラリー・カールトンが1978年にリリースした

『Larry Carlton』に収録されている「Room 335」がフューチャーされていた。カールトンに

よると「Room 335」の印象的なフレーズは彼が参加したスティーリー・ダン(Steely Dan)の

アルバム『彩(エイジャ)(Aja)』(1977年)に収録されている「麗しのペグ(Peg)」の

最初の2つのコードを引用、発展させ、現在フュージョンの名曲の一つになったそうである。

 ところで個人的には「ペグ」の方が気になって色々と調べてみたので和訳してみる。

「Peg」 Steely Dan 日本語訳

僕は君の写真をずっと眺めている
写真に書かれた君の名前が照らされている

これは君にとって大々的なデビュー
夢が実現したようなものだ
だからカメラに向かって笑いかけてくれないか?
みんながそれを気にいることは分かっているだろう、ペグ?

僕は君のピンナップが好きなんだ
君の手紙と共に取ってあるよ

青写真の青の中でかっこよく着こなして
間違いなく君は素敵に見える
君がカメラに向かって笑顔を振りまいてくれるなら
僕は君を崇拝してしまうだろう

ペグ
笑顔はまた君に戻って来るよ
ペグ
笑顔はまた君に戻ってくるんだ

その時、シャッターが押されて
君には全てが浮き出ているように見える
その見慣れない映像を君は気にいるはず

僕は君のピンナップが好きなんだ
君の手紙と共に取ってあるよ

青写真の青の中でかっこよく着こなして
間違いなく君はかっこよく見える
君がカメラに向かって笑顔を振りまいてくれるなら
僕は君を崇拝してしまうだろう

ペグ
笑顔はまた君に戻って来るよ
ペグ
笑顔はまた君に戻ってくるんだ

その時、シャッターが押されて
君には全てが浮き出ているように見える
その見慣れない映像を君は気にいるはず

 「ペグ」とはイギリス出身の女優のペグ・エントウィスル(Peg Entwistle)を指しているように

思われる。1932年、24歳の時に「HOLLYWOOD」サインの「H」の文字の上から投身自殺

したことで有名になったから、最初の「これは君にとって大々的なデビュー」とは皮肉なことに

自殺したことを意味しているのだと思う。


ペグ・エントウィスル(Peg Entwistle)


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「N・S・ハルシャ展 : チャーミングな旅」

2017-05-16 20:13:00 | 美術


(「返される眼差し(Reversed Gaze)」2008/2017)

 現在、東京六本木にある森美術館では「N・S・ハルシャ展 : チャーミングな旅(N.S.Harsha :

Charming Journey)」が催されている。

 1969年、南インドの古都マイスール生まれのハルシャはその出身地のためなのか人口の過密さ

を利用した作風が目立つのであるが、だからと言って個性が無い訳ではない。例えば、2009年に

制作された「罪なき市民を探せ(Spot an Innocent Civilian)」においてもキャンパスにアクリルで

多数の人物を描きこんでいる。

 一見整然と並ぶ人物たちの中、画面右側に自爆している女性が描かれているのである。

 これは1991年にインドの元首相であるラージーヴ・ガーンディー(Rajiv Ratna Gandhi)が

タミル人のテロ組織「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」の自爆テロから始まったテロの

連鎖を問うものである。

 ハルシャの魅力は、このような観点と正反対の観点からも作品が描けるところにある。例えば、

2013年の「ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ(Again Birth, Again Death)」という、

キャンパスにアクリルで地球を描いた作品がある。

 しかしこの作品の全体を見渡すと、全長24メートルを超える巨大な一筆書きのような星の

連なりと化すのである。

 このように生まれ故郷のマイスールと世界、個々の人間の営みと急成長で発展するインド国家、

つまりミクロとマクロが融合する絶妙なバランス感覚がハルシャの持ち味なのである。


(「タマシャ(Tamasha)」2013)


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スルバランの「聖母マリアの少女時代」

2017-05-15 00:41:09 | 美術


(「戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像
(Portrait of Catherine Ⅱ in Her Coronation Robes)」
ウィギリウス・エリクセン(Vigilius Eriksen 1760s)

 現在、森アーツセンターギャラリーでは「大エルミタージュ美術館展」が催されているのだが、

思ったほど感銘を受けなかった原因は、ルネサンスからバロック期のイタリア、オランダ、

フランドル、スペイン、フランス、ドイツ、イギリスの大まかな概観を提示しただけで、

深みに欠けるからであろうし、エルミタージュ美術館ならばもっと良い作品があるのではないかと

勘繰ってしまうからであるが、やはりルカス・クラーナハ(Lucas Cranach)の1530年頃の

作品である「林檎の木の下の聖母子(The Virgin and Child beneath an Apple Tree)」は

見応えがある。

 ところでフランシスコ・デ・スルバラン(Francisco de Zurbarán)の1660年頃の作品

「聖母マリアの少女時代(The Childhood of the Virgin)」のキャプションには画家晩年の

作品で画家自身のまだ幼い娘がモデルとされていると書かれており、スルバランは若くして

亡くなったのかと思って調べてみたら、1598年生まれのスルバランは1664年に

亡くなっており、ということは娘は画家が50代で授かった子なのであるが、これが当時は

珍しいことなのかどうかはよく分からない。


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あゝ麗しの改正憲法

2017-05-14 00:08:58 | Weblog


(2017年5月12日 毎日新聞夕刊)

 まずは毎日新聞に掲載されていた「特集ワイド」の吉井理記記者の記事を引用してみる。

「記者も反省している。安倍首相の国会答弁を検証した『特集ワイド』(4月11日付)の掲載後、ある政治学者から『だれも指摘しないが、あれは憲法違反ではないか』と教えられた。3月13日の参院予算委で社民党の福島瑞穂氏が、安倍首相の友人が経営する学校法人による、大学の新学部開設の経緯をただした時の答弁のことだ。
 この時、首相は福島氏にこう言った。『(学校法人などの)実名を出した。生徒も傷つく。生徒の募集にも影響がある。あなたは責任がとれるのか』
 前出の『特集ワイド』で、安倍首相の答弁は『国会軽視ではないか』との見方を紹介しただけだった。しかし憲法を読み返すと、51条に『議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない』と記されている。国会議員の『免責特権』である。
 一方、九州大の南野森教授(憲法学)によると、免責特権は、首相や閣僚にはなく、国会議員だけに認められている。『それだけ重い条文です。内閣は権力行使について国会に責任を負い、国会は内閣を監視する職責を国民に負うのが、議院内閣制です(66条3項など)。その監視の職責を果たすため、議員の発言の自由は保障されなければならない。福島氏のケース以外でも、野党議員の発言に色をなし、きちんと答弁しない場面がありますが、こうした関係を首相は本当に理解しているのか』と南野さん。」

 しかしこれはそもそも東大法学部卒の弁護士だった福島瑞穂自身が安倍首相に言われた際に抗議するべき案件であろう。幼稚園児に教育勅語を暗唱させる前に、全ての国会議員が日本国憲法を暗唱することを勧める(「敗戦を大蔵官僚として迎えた宮沢(喜一)氏も憲法への強い思いを持っていた。『学校で習っていないから』と憲法全文の紙片を手帳にはさんで持ち歩き、事あるごとに見返していたというエピソードはよく知られている。」と2017年5月26日の毎日新聞夕刊に書かれていた。さすがとしか言いようがない)。

 その後の記事も引用しておきたい。

「そういえば8日にも、衆院予算委で民進党の長妻昭氏が改憲論の真意をただしたところ、安倍首相は『(インタビューが掲載された)読売新聞を読んで』と答弁したばかり。伊藤(真・伊藤塾塾長・弁護士)さんは『憲法63条の趣旨は、議員の質問にはその都度、答弁するのが閣僚の職責、ということです。この点でも憲法の趣旨に反していると言わざるを得ない』と付け加えた。」

 私は安倍首相の「読売新聞を読んで」という答弁を聞いた時、まだ佐々木希との交際を公にしていなかった渡部建が佐々木について訊かれた時に「ネットを見ろ!」と言っていたことを思い出した。渡部と佐々木が結婚したように、安倍晋三も2020年に改正憲法と「結婚」できるのだろうか?


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嘘つきが強要する道徳について

2017-05-13 20:53:03 | Weblog


(2017年5月13日 毎日新聞)

 「『そもそも』の意味を辞書で調べると『基本的に』という意味もある」と国会で述べた安倍晋三首相のその後の経緯が書かれていたので、岩佐義樹記者の記事を引用しておきたい。

「その後、民進党議員から同趣旨の質問主意書が出て、政府が12日に答えた。大辞林によると『そもそも』に『どだい』という意味があり、『どだい』に『基本』という意味がある - というのだ。
 大辞林が『どだい』の意味があるとする『そもそも』は名詞用法だ(そもそもは僕が始めたものなど)。『どだい』も、その意味として挙げる『基本』も名詞だが、首相の言う『基本的に』は名詞ではない。ちなみに、『どだい』に副詞用法もあるが、否定的文脈で使われる。
 大辞林を刊行する三省堂辞書出版部の山本康一さんは『確かに『そもそも』の説明に『どだい』を入れ、『どだい』の説明に『基本』を入れている。だがそうは言っても『そもそも』がすぐに『基本』と結びつくとは言いにくい』と話す。
 『そもそも』=『どだい』=『基本的に』は、どだい無理な解釈なのだ。
 答弁書を読む限り首相が引いたとする辞書はなかったのだろう。それを強引に取り繕うのはおよそ教育的とは言えず、国語への悪影響が懸念される。」

 恐ろしい結末だ。つまり現在日本のトップに立つ男は平気な顔をして嘘がつける人間なのである。そしてそんな男が小学生に道徳を強要しているのである。これを悪夢と言わずに何を悪夢というのか?

 

「政府は26日の閣議で、『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の国会答弁で安倍晋三首相が引用した『そもそも』の語意について『首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない』とする答弁書を決定した。首相が『辞書で調べたら『基本的に』という意味もある』と答弁して反論した経緯がある。民進党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。」という「『そもそも』語意 首相辞書引かず」というタイトルの記事が2017年5月27日の毎日新聞に掲載されていた。これで密かに済ませる気なのか。


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『追憶』

2017-05-12 00:01:16 | goo映画レビュー

原題:『追憶』
監督:降旗康男
脚本:青島武/瀧本智行
撮影:木村大作/坂上宗義
出演:岡田准一/小栗旬/柄本佑/吉岡秀隆/安藤サクラ/長澤まさみ/木村文乃/りりィ/西田尚美
2017年/日本

感情表現が中途半端な男について

 主人公で、後に刑事となる四方篤と、土木建築会社を経営する田所啓太と、東京で小さなガラス店を営む川端悟は幼なじみなのであるが、25年前の1992年のクリスマスに起こった出来事が原因で疎遠になっていた。
 ストーリーに大きな破綻はないのだが、仕事の合間にある事件の記事を読んでいた時も、篤が訪ねてきた時も、幼なじみの悟が亡くなっているにも関わらず啓太が全く動揺しない点が気になった。おそらく観客をミスリーディングするためだとは思うのだが、会社の部下たちや妻の真理とは気さくに談笑している啓太が冷酷な人間のように見えるために間もなく父親になろうとする男に対していささか違和感を抱いてしまう。


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