滋賀県の業者が製造する「子持ち鮎の山椒煮」。「煮浸し」風と言った方が西日本の人間にはわかりやすいだろう。
焼いた鮎を「番茶」で煮て軟らかくして実山椒を加えた調味液でことこと味を含ませる技法は関西で生み出された。実山椒の使い方では京都を始めとする関西系割烹が抜きんでている。
体長約15cmの鮎の腹にはたっぷり真子が入っておりホクホクの食感が楽しめる。甘露煮のように濃い味付けをしないところは流石だ。骨を含めて頭から尾まですべて食べられる。手間をかけて無駄を出さない点は日本料理の基本だ。
番茶を使った調理法で「茶ぶり」というのがあるが、これで「ナマコ」を処理すると歯の悪いお年寄りでも容易に噛むことができる。私は福岡県のある「会席料理屋」でそのやり方を教えてもらった。料理長は仁義なき戦いの舞台になった「呉」の出身であった。
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