坂出市の行方不明事件については、父親が犯人だと匂わすような方向で報道が進んでいたが、たった今、親族の男性が犯行を自供したというニュースが流された。日本TV系列が、最も早くそのニュースを報道している。
父親である山下清さんは、犯人ではなかったのだ。
松本サリン事件の河野さんを思い起こさせる報道をしたマスコミ各社は、どう責任をとるつもりなのだろうか。
特にワイドショーの報道姿勢は、本当に酷かった。山下清さんへのインタビュー画像を適当に編集して、さも彼が「悪人」「犯人」であるかのような表情、話しぶりばかりを放送した。「わたしはやっていない…」ということまで言わせて、そのインタビューを流していたのだ。
ところが、親族が自供したというニュースを見ると、山下清さんのインタビューを放送しつつも、これまで使用しなかった映像を流しているではないか。それは、彼が娘を思い、涙をながしているところだった。父親らしい映像だった。彼が犯人ではないと分かると、ストックされた映像の中から、こういう都合のいい部分だけを取り出し放送する。万事こんなことの繰り返しなのだ。
視聴者に”受ける映像”ばかりを追求した結果が、こういう破廉恥な報道姿勢となって表れるのだ。マスコミのいい加減さには、ほとほと愛想が尽きる。自分たちに都合のいい時だけ「報道の自由」などと騒ぐくせに、やっていることは井戸端会議なみの報道ではないか?
山下清さんは、今後、これまでの各局から放送された映像をすべてチェックして、行き過ぎた報道をした放送会社を名誉毀損で告訴すべきだと思う。こんなマスコミに遠慮することなどない。ぜひ、やってほしいのだ。