若い世代の人は、「国連環境計画親善大使」加藤登紀子を、オバサン歌手で、黒柳徹子と同じ様なボランティア活動をしている人だと思うだろう。
今朝もNHKの「環境番組」に出演し、何やらもっともらしい「環境論」を喋ったあげく、「La Revolution」という自作の曲を唱っていた。歌詞の内容は、いつもの説教じみたものなので、ここで採り上げるまでもないだろう。
加藤の「思想遍歴」は、実にいい加減だ。’60年代末の全共闘時代には、「反体制」を気取り、学生との連帯をうたう。学生運動が下火になると、アンデスのフォルクローレを採り上げ、「第三世界」云々と言い出す。それが飽きるとロシアの流行歌などを採り上げる。服役後の夫(藤本)とともに、「大地に還る農業」を始める。
「新左翼」くずれであり、「市民運動」のシンパであるのは明らかなのだが、つねに「おいしい」部分だけをつまみ食いしてきた人なのである。一貫した思想を持つならば、「国連親善大使」などという「体制内」の「名誉職」を喜々として受けるはずもないだろうし、恥ずかしくてとても受けられないだろう。
自らの「思いこみ」だけで人に説教を続け、それが結構上手くいく、実に幸せな人だ。だが、不誠実な人であることも間違いない。
「革命」と名付ければいいものを、新曲を英語でもなく、フランス語で「La Revolution」と名付けるこの欺瞞! 「環境」を商売にして、善良な人々にお説教を続けるこの人、その根本にあるのは何か分かりますか? マルクス主義の概念に「前衛」という言葉がありますが、それですね。加藤は常に「指導する人」「説教をする人」であり、加藤の「市民運動」に参加する人は、指導される「大衆」なのだと言うことです。
「東大出」という肩書きのイヤらしさもふんぷんと伝わってくる。以前、衛藤瀋吉氏が加藤のことを「東大にいたけど、全然勉強しなかった」と言っていたのを思い出す。
加藤の歌を聴いて、「感動」したり「何かしなければ」とか思ってはいけません。彼女のペテンにはまるだけですから…。