田母神氏の発言以来、村山談話や自衛隊の文民統制の問題がクローズアップされている。
「平和憲法」のおかげか、日米安保による米軍の庇護のためか知らないが、第2次世界大戦後、日本人の戦死者や紛争による被災者は皆無だった。
ところが、東アジアの近隣諸国は全く違う。
朝鮮戦争の死者<
1950年6月に始まった朝鮮戦争で、北朝鮮の死者は250万人、韓国市民100万人、韓国軍人5万人、米国人5万4000人、中国軍人100万人。(J・ハリデク「朝鮮戦争」岩波)南北朝鮮の合計死者数が355万人というから、太平洋戦争での日本人死亡者221万人をはるかにうわまっている。アメリカ軍人の死者も、ベトナム戦争の時より1万人も多いチベット人虐殺
1950年に中国に併合されたチベットでは、数十万人の住民が殺された。アジア監視委員会では「1950年から1980年に百万人を超えるチベット人が不自然な死を遂げたと推定される」と報告されている。(タッド・シュルツ「1945年以後」)
ベトナム戦争>
1973年1月28日、南ベトナム全土で停戦が発効。アメリカ軍の死者4万6000人、重軽傷者30万3000人。南ベトナム軍民の死傷者は300万人以上。<>
カンボジア内戦<
ポルポトのクメール・ルージュ政権は1975年のアメリカ軍撤退後の4年間に、300万人の朝鮮戦争の米兵死者数3万7千人に下方修正(読売)
1947 2・28 台湾 「2・28事件」 蒋介石の国民党軍が2万8千人の市民を虐殺。
1966-76年 中国・文化大革命で2,000万人が虐殺される。
この60年を見ただけでも、こんなにも人命が軽く扱われてきた。特に中国では、中国共産党の暴政により、まともな知識人や宗教家は根絶やしにされた。ジョークだとは思うが、ここまで生き抜いてきた中国人は、みんな”悪人”ばかりだという話を聞いたことがある。悪人はふてぶてしく生き残ることができるのだ。
「平和」「人権」などときれい事を言い続け、隣国に譲歩を重ねる「ひよわな」日本は、いずれ呆然とする目に合わされる日が来る。
田母神発言を偉そうに批判する「市民」たちは、本当に畳の上で安楽にその死を迎えられるのだろうか?