初めて大桟橋に行ったが、想像したよりもずっと素晴らしかった。木の歩道がユニークで、突端から見た山下埠頭や赤れんが倉庫、みなとみらい地区など、どれも絵になる美しい眺めだった。
帰りは定番の中華街散策。「市場通り」の奥を右折した場所に、「台南小路」という小径があり、中華民国(台湾)の国旗が沢山ひらめいていた。
中華街の勢力地図も変わり、今や台湾支持派は少数(?)なのだろう。こんな小径でけなげに頑張っているとという印象を受けた。
今度来た時には、この店に入ってみるか…。
若い世代の人は、「国連環境計画親善大使」加藤登紀子を、オバサン歌手で、黒柳徹子と同じ様なボランティア活動をしている人だと思うだろう。
今朝もNHKの「環境番組」に出演し、何やらもっともらしい「環境論」を喋ったあげく、「La Revolution」という自作の曲を唱っていた。歌詞の内容は、いつもの説教じみたものなので、ここで採り上げるまでもないだろう。
加藤の「思想遍歴」は、実にいい加減だ。’60年代末の全共闘時代には、「反体制」を気取り、学生との連帯をうたう。学生運動が下火になると、アンデスのフォルクローレを採り上げ、「第三世界」云々と言い出す。それが飽きるとロシアの流行歌などを採り上げる。服役後の夫(藤本)とともに、「大地に還る農業」を始める。
「新左翼」くずれであり、「市民運動」のシンパであるのは明らかなのだが、つねに「おいしい」部分だけをつまみ食いしてきた人なのである。一貫した思想を持つならば、「国連親善大使」などという「体制内」の「名誉職」を喜々として受けるはずもないだろうし、恥ずかしくてとても受けられないだろう。
自らの「思いこみ」だけで人に説教を続け、それが結構上手くいく、実に幸せな人だ。だが、不誠実な人であることも間違いない。
「革命」と名付ければいいものを、新曲を英語でもなく、フランス語で「La Revolution」と名付けるこの欺瞞! 「環境」を商売にして、善良な人々にお説教を続けるこの人、その根本にあるのは何か分かりますか? マルクス主義の概念に「前衛」という言葉がありますが、それですね。加藤は常に「指導する人」「説教をする人」であり、加藤の「市民運動」に参加する人は、指導される「大衆」なのだと言うことです。
「東大出」という肩書きのイヤらしさもふんぷんと伝わってくる。以前、衛藤瀋吉氏が加藤のことを「東大にいたけど、全然勉強しなかった」と言っていたのを思い出す。
加藤の歌を聴いて、「感動」したり「何かしなければ」とか思ってはいけません。彼女のペテンにはまるだけですから…。
国土交通省のタクシー券使用が問題となっている。
「みのもんた」のワイドショーでは、国土交通省のある職員は、年間490万円のタクシー券を使用したものの、超勤時間は1日1~2時間に過ぎないと言う。もちろん、これはサービス残業を余儀なくされているためだが、国土交通省の担当者が「サービス残業によるものと認識している」と説明しても、みのもんたはあざ笑うようにして話をそらせていく。画面には「赤ら顔をした国交省の職員を家まで乗せた」というタクシー運転手の証言が流される。だが、加工した声だけなので、それが事実かどうかは確かめられないようになっている。
「道路特定財源」があるので、こんなに勝手にタクシー券を使用している、とんでもない奴らだ、というのが「みのもんた」の筋書きなのだろう。だが、公務員のサービス残業が、極限まで続いている職場も数多いことを忘れるべきではないだろう。
「格差社会」が進む中で、「公務員攻撃」は格好のストレス発散の場となっている。以前だったら、「給料が安くてお気の毒に…」と言われた公務員が、今や「税金泥棒」か「犯罪者」であるかのような扱いだ。マスコミは、職業柄、正面切って反論できない公務員を格好のスケープゴートと考え、集中攻撃を加えているのだ。
国はもとより県庁や市町村の役所に勤める皆様におかれては、もっとマスコミ報道を注視し、時には怒るべきでしょう。平日、年次休暇を取るようなことがあったら、ぜひ、朝や昼のワイドショーを見るべきです。貴方が勤めている間に、貴方の仕事そのものを侮辱するような番組が毎日垂れ流しにされているのですから…。特に、みのもんた、福澤朗、この二人は最悪。TV局では、テレビ朝日とTBS系列がひどい。
たまには、こんなに公務員を擁護するブログがあってもいいでしょう。個人的には、公務員は好きではないけれど、まだ一生懸命、公務員なんかやっている友人もいるので…。
野茂投手が3年ぶりに大リーグに復帰する。
ロイヤルズとマイナー契約を交わしていた野茂英雄投手(39)が3年ぶりのメジャー昇格を果たし、5日(日本時間6日)のツインズ戦前にメトロドームで会見した。背番号は91。野茂はオープン戦終盤に右足付け根を痛め、キャンプ地のアリゾナ州サプライズで治療や調整を続けていたが、3日に投球練習を再開。チームが投手を1人増やして12人にしたため、電撃的に昇格が決まった。
試合前のダッグアウト。報道陣に囲まれた野茂は、グラウンドを背にしながら、いつもの冷静な表情で淡々と意気込みを語った。「メジャーでやれることはうれしいですし、選んでくれたチームに感謝してます。1試合でもチームの勝利に貢献してプレーオフを目指したい」
デビルレイズ(現レイズ)に所属していた05年以来、実に3年ぶりのメジャー復帰。思いはかなった。06年6月に右ひじを手術。「メジャーで投げたい」との一心で約2年間つらいリハビリに耐え、昨オフにはベネズエラのウインターリーグにも参加した。通達を受けたのは前日4日。夜にアリゾナ州サプライズからチームの遠征地・ミネソタ州ミネアポリスへ移動し、この日の朝、クラブハウスに姿を現すと、ヒルマン監督と笑顔でがっちり握手。日本語で「頑張って」と祝福を受けた。
突然のメジャー昇格だった。3月25日のパドレスとのオープン戦で右足付け根を痛め、キャンプ地に残留。一時的な処置として、ルーキーリーグのアイダホに所属し、リハビリに励んだ。3日には投球練習を再開し、フリー打撃にも登板。ウオーミングアップで29球、打者相手に15球を投げた。これを受け、ドクターらがプレーに問題なしと判断。昇格へゴーサインが出された。チームは4試合出場停止処分を受けていた捕手のオリボが、この日から復帰。これに伴い代役のタップマンをマイナーへ降格させ、投手を1人昇格させることが決定し、中継ぎ要員として野茂が選ばれた。
これで契約もメジャー契約へ移行。登板すれば05年7月16日のブルージェイズ戦以来995日ぶりとなる。8日からは地元でヤンキース3連戦も控える。中継ぎだが「打者を抑えてゼロで帰ってくることにリリーフも先発も変わらない」と意気込んだ。日本人メジャーリーガーのパイオニアがマウンドに帰ってくる。
先日、桑田真澄が大リーグへの挑戦を断念し、「今後は指導者として恩返しをしたい」とかいっていたが、野茂の真摯な態度とは異なって、「打算」「計算尽く」であることが丸見えだった。さすが「投げる不動産王」と呼ばれただけあって、抜け目がない。
一体誰が桑田に「指導者」になってほしいと言ったのか。そんなことを望む野球ファンは、ほとんどいないはずだ。巨人ブランドに固執し、バブルで大もうけを狙い、それがダメになれば大リーグに挑戦とか言って、悪名の「マネー・ロンダリング」を狙う、桑田という男は本当に人間のクズだ。
それに引き換え、野茂はエライ。こういう男こそが、「指導者」になるべきだ。
評論家 金美齢氏が「産経新聞」(4/4)に「”不満の春”にも花は咲く」という一文を寄せている。
人の世に何が起ころうが、花は咲く。満開の桜を前に、傷心の身は呆然と立ち尽くし、上野の花見に招かれていたのをすっかり忘れ、失礼してしまった。
金さんが「傷心の身」と言うのは、先の台湾総統選挙において、民進党の謝長廷氏が国民党の馬英九氏に大敗したからである。彼女は、台湾が日本の植民地統治から逃れ、国民党が支配するようになって以来ずっと、台湾独立運動を続けてきた闘士として有名であり、国民党政府と北京政府の両方から要注意人物として抑圧を受けてきた人物である。
台湾の民主化以降、李登輝総統のもとでは政策顧問として活躍し、日本と台湾の関係に心血を注いできた。時流になびく日本のマスコミが、北京に媚びを売り続けても、彼女のスタンスは一切変わらなかった。
その彼女が台湾総統選挙の結果を「傷心の身」と表現して悲しんでいるのだ。選挙戦は、国民党の馬候補が優勢と伝えられてきたが、選挙の終盤にいたってチベット騒乱が起こり、「今日のチベットは明日の台湾」という危機感が、民進党に有利に作用するのではないかと伝えられた。
「国民党の独裁と白色テロに苦しんだ台湾人が、中国のチベット制圧に危機感を募らせるのは理の当然。これで「勝った」と断言した雑誌編集長もいた」のだそうだ。
だが「チベットは遠く、台湾人は無関心だった。50年の長きにわたって中国人に抑圧された苦難の記憶もすっかり消えたのか、連帯の気配はない」という状況だった。
結果は、民進党の大敗。金さんは東京へ帰る機中で、スタインベックの「われらが不満の冬」を思い出したという。そして次のように記す。
「半世紀にわたる台湾独立への道も、怒り、たたかい、連帯、希望、そして”われらが不満の春”を迎えた。一体全体誰が敵なのか。”怒りの葡萄”にも同じような慨嘆があったと記憶している。」
「それでも花は咲く。…今日4月4日は日台交流サロンのお花見。8階の優先席からワイン片手に御苑を見下ろし、この世の憂さを吹き飛ばそう。」
台湾独立運動の先知先覚である金さんは、「民主的」に行われた今回の総統選挙に異を唱えるわけではない。だが、「民主化」された祖国の「大衆」とは、このようなものなのかという慨嘆がつきまとうのだろう。それは、かつて三島由紀夫が戦後日本の「民主主義」体制に抱いた違和感と共通するものがあるに違いない。
この金さんの名文をぜひ多くの人が読んでほしいものだ。「朝日新聞」だけが新聞ではない…。
TBS系列「報道大河スペシャル いのちの地球…警告!今そこにある50の危機私たちに出来ることは?」が3時間に渡って放送されている。
オーストラリアの干ばつ、地表の温度が25度になったという南極、ハイブリッド種が生まれた北極のシロクマとガラパゴス諸島のイグアナ、消失するキリマンジャロ山頂の氷河等々、こけおどしの映像が垂れ流し状態で続く。こんなもの、どこが「報道大河スペシャル」なのか? 以前、「筑紫哲也ニュース23」で放送した映像をそのまま使っているだけではないか? これで「報道のTBS」などと言うつもりなのか?
司会の関口宏は、知的感度がいかにも鈍そうで、この番組にはぴったりだ。絢香の地球環境を憂う歌を深刻そうに紹介していたが、こんなつまらない歌を唱わせない方が「省エネ」になるんじゃないかと思ったほどだ。あまりにもばかばかしい番組なので、途中で見るのを止めた。
TBSは、いつから「地球環境教」を布教するTV局になったのか? あまりに恣意的な映像の選択、感情的なナレーション…一億総懺悔して、発展途上国に詫びろとでも言うつもりなのか?
「地球環境」を宗教のごとく扱うこの番組のウラには、「国益」を顧みることさえ否定するTBSの偏向した報道姿勢がある。
現在の日本にはまだ経済力がある。海外の資源・食糧を調達する力があるのだ。そのこと自体を”悪”であるかのように扱う、きれいごとの報道姿勢は何なのかと言うことだ。中国が台頭し資源・食糧をめぐって紛争が生じた時、TBSは白旗を掲げて中国にひれ伏せとでも説教するつもりか?
国際社会は、きれいごとでは生きていけない。子ども達にはそのことを教えるべきなのだ。経済力のある今なら遅くはない。この番組では、子供に家の電気や水の節約をさせて、それが環境への取り組みだとしていた。だが、そんなことは枝葉末節なのだ。
日本の将来を見据えて、「国益」とは何かを考えさせること、そして空虚な平和論の悪影響から離脱させることが必要なのだ。
ガソリン値下げについては、TV各社が「パニック」の画像を撮ろうとしていろいろ画策したようだが、結局望むような混乱は生じなかった。
稲垣武氏の著書に次のような記述がある。
「…子供が池に転落しても、”行政の責任が問われている”と書くのが、新聞の常だった。…子供の転落防止は親の監督責任であり、行政の責任ではない。しかしマスコミは不特定多数の批判はタブーだから、抗議される気遣いの少ない官庁の責任にするわけだ。汚職が発生した際も、一部の不心得者の仕業で、大多数の役人は真面目に働いているような場合すら、あたかもその官庁全体が汚職の巣のように報道する。それが高じると、世間的な常識からして、犯罪に当たらないようなものまで、汚職と決めつける。旧大蔵省と銀行の癒着が問題化した際は、癒着の手先とされた銀行のMOF担当が新橋あたりの安い居酒屋で、親しい役人と一人前数千円の会食をしたことまで、癒着の照明とされた。
こういった誇大な報道に対しては、常識でそれが妥当かどうか判断する以外ない。間違っても”MOF担当は悪い連中だから、些末なことでも許さない”といった感情に走らないことだ。」(「新聞・テレビはどこまで病んでいるか」 p.190)
今回のマスコミ報道にも、限りなく世論誘導の臭いを感じるのは私だけだろうか。この問題に関連して、またぞろ「地球環境」という、ありがたいお言葉が使われているが、こういうときこそ第4の権力であるマスコミを疑うべきだと思うのだが…。