先日、山の仲間の昆虫観察会で講師を務めた。
確かに昆虫少年のころからチョウやトンボとの付き合いは深かったが、おこがましい限りだった。
資料「会津のチョウ・トンボの保護」を準備して、撮り貯めた写真を見てもらいながら日頃の虫たちへの思いを訴えた。
昆虫と自然のしくみや絶滅の危機にあるふるさとのチョウやトンボとその保護などを。
その折り、自己紹介を兼ねて、小学生のころ父に買ってもらった蝶類図鑑を紹介した。
折々に手にしてきたその図鑑の序文には
「広く豊かな知性と識見をもって自然を鑑賞し,自然に親しむことこそよりよき人生の営みでなくてはならない。」
「自然の神秘は限りなく奥深く、私どもの未知の世界は無限である。」とあり、いつしか暗誦してしまった。
あれから60年、長い間昆虫を見つめ続けてきた人生の一つの岐路が、このボロボロになった図鑑の、いつもこころを癒してくれたこの一文にあったような気がしている。
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昭和29年初刊のこの図鑑に、すでに絶滅してしまったオオルリシジミの記述がある。
「棲息地として・・・・・・・・・、福島では会津盆地、・・・・ 」