庭をきれいに彩った菊の花もいつしか色あせ、小春日に黄色いクマシデやオオモミジの葉がはらはらと散り急いでいる。
それぞれにいのちを全うしながら、今年も残りわずか、いま静寂の世界を迎えた。
最近、あまりに速い時の流れを思っている。気忙しくしていたためだろうか、毎日が瞬く間に過ぎていく印象だ。
地球は1日かけて1回転している。時間の経過はいつも変わらないのに、なぜ短かったり、長かったり感じるのだろうか。
雑事にかまけて無為に、貧しく流れる時間がつかの間に感じられる。
小さいころはもっと時間がゆっくり流れていたように思えるが、それは、未知との新鮮な出逢いが多いかったからではないだろうか。
とすれば、歳を重ねるごとに加速する時の流れをもっとゆるやかにするには、これからでも新しいことに挑戦し、豊かなこころを求めればいいと思う。
これから残された時間を長く感じるために、秋の日にしばらく考え続けた一つの結論だ。