昨夜、テレビでドキュメントドラマ「蝶の山脈~安曇野を愛した男~」を視聴した。
尊敬する山岳写真家・田淵行男の妻日出子の目から描く、安曇野の夫婦愛の物語だ。
彼は14年間にわたり9種類の高山蝶の生態研究を続け、その成果を『高山蝶』にまとめた。
その探求の日々を知り、数々の高山蝶、それらの驚きの細密画や北アルプス常念岳の大自然の美しい映像に魅せられた。
彼は、蝶を求めた私の青春に一本の道を教えてくれたナチュラリストだ。
何度も訪ねた穂高町の田淵行男記念館では、その都度新しい発見があり、写真はもとよりスケッチやエッセイ等、彼から学び導かれたものは実に大きかった。
いつしか老いた身に、ドラマを見ながら、二度と戻らぬ青春の感動が静かに甦ってきた。
これからもそれらを胸にカメラ、スケッチブックを携え、昆虫や植物をテーマに自然とのさらなる豊かなふれあいを楽しみたいと思っている。
久々に、本棚に並ぶ沢山の彼の写真集を手に取った。
何年も前に記念館で求めた絵葉書 「蝶の色彩」の一部