小学校での出前授業を終えて
今年も、ヒメシロチョウが生息する地域の小学校で、授業「貴重なヒメシロチョウを守ろう!」の授業を終えた。今年で4年目になった。
10:15~10:50 板書しながらの講義
あれもこれもと話が跳んだが、沢山の写真や,我が50年前のチョウの標本を見せながら進めた。
・昆虫じいちゃんの自己紹介(昆虫採集から昆虫少年への軌跡) ・生きものについて
・昆虫について(特徴、チョウ、トンボ)・絶滅危惧種 について ・中心となるヒメシロチョウとツルフジバカマについて
【自作資料: 絶滅危惧種 ヒメシロチョウ その生態と保護 -人とヒメシロチョウの共存をめざして - 】 )
11:00~11:50 野外(学校裏)での観察 今回は準備した「自然観察メモシート」に記録をとらせた。
〇散策で見つけたものについて、20か所の罫線欄に名前と特徴を記録
〇観察で考えたこと・感じたこと(疑問・感想など)
観察した生きものは、(思い出しながら列挙すると)
〇ヒガンバナ、アキノノゲシ、クズ、イヌタデ、エノコログサ、キンエノコロ、ツリフネソウ、メドハギ、
ツユクサ、セイヨウタンポポ、マツヨイグサ、ムラサキツメクサ、シロツメクサ、カタバミ、カナムグラ・・・
〇ヤマトシジミ、ヒメシロチョウ、アキアカネ、ノシメトンボ、各種ガの幼虫、テントウムシ、各種ハナアブ・・・・
記録欄はあっという間にすべて埋まり、余白にメモしていた。
今回はレポートのまとめや提出はいらない。メモを参考に、あとから図書で調べてみようと付け加えた。
ヒメシロチョウ観察は、少し時期が遅かったが、何とかヒラヒラと舞う1頭のヒメシロチョウが姿を現わしてくれた。
産卵こそ見ることができなかったが、ツユクサに吸蜜する姿や産み付けられた卵や幼虫を観察できた。
ツルフジバカマの特徴も紫色の花や付き始めた種の確認をできた。
他にも発見があった。
産み付けられた卵をルーペで観察、近くのツルフジバカマに食痕を見つけ、生徒が、1令(8㎜)2令(2㎝)の幼虫を見つけた。
また、テントウムシの蛹やミドリヒョウモンのグロテスクな幼虫なども観察した。
なかなか見つからない小さな幼虫探しでは、難しさを実感したが、担任のN先生から”虫たちは見つかりにくい姿に進化してきたの”と、助け舟を出してくれた。
短時間の自然との触れ合いを終え、
「いろいろな虫や草が一生懸命生きていること、そしてそれらが関連しながら生きて、バランスの取れた自然環境を作っている」ことを話した。
素晴らしい秋空の下、生徒たちが5感を使って、一つ一つの自然を前にした観察から得たものは大きかったと思う。
少しでもな自然に関心を持ってもらえたのではないか。
それが、自然への畏敬の念へ発展し、さらに将来の彼らの自然保護の思想につながればと思っている。
反省点は、やはり一回の授業では足りない。
こうした小さな自然観察を通して、生物多様性、森林生態系などの自然環境の意義を理解させたいと思う。