今年も、すでに冬の使者コハクチョウが各地に飛来している。
新聞報道では、猪苗代湖へは第一陣が10月5日に飛来していた。
例年より少し早いらしい。
毎年10月半ばに、三城潟付近の田にコハクチョウと会いに行っている。
今日はこの秋一番の快晴、穏やかな秋の一日だった。
武琉くんは、小学校の学習発表会だ。ママは学校のお手伝い、ばーちゃんは萌香を連れて参観に行った。
じいは迷ったが、折角の天気に負けて、里山巡りを選んでしまった。
磐梯町方面、山沿いの里山はすっかり秋が深まっていた。
ついこの前までアカタテハが集まっていたアメリカセンダングサは、もうすっかり枯れて物悲しかった。
林を歩くと、風もないのにドングリがポトン、ポトンと、音をたてながら次々と落ちていた。
道端のカントウヨメナやセイタカアワダチソウにはキタテハが群がって蜜を吸っていた。
翅の破れた痛々しいミドリヒョウモンや新鮮なヒメアカタテハも止まっていた。
オツネントンボが目立った。
オツネントンボは夏の終わりに羽化、そのまま寒い冬を越して来春産卵するトンボだ。
すっかり秋も深まった。
ヒメアカタテハ
ホウジャク(スズメガの仲間)
すでに刈り取りの済んだ、翁島や三城潟付近の田には、遠くからもかなりの数のコハクチョウが見えた。
お帰り、コハクチョウ!と呼びかけた。しばらくコハクチョウに見とれてきた。
数を数えてみた。約300羽もが長旅の疲れを休め、それぞれに田の土をついばんでいた。
コンバインでの刈り取りで、落ち穂は全くない。田の土をついばんでいたが、
多分濡れた藁や根を食べているのだろう。
コハクチョウや水鳥たちに、冬の食べ物は十分とは思えない。
最近、鳥インフルエンザの心配から、餌やりを控えることになり、やはり不足しているのではないかと心配している。
自然のままにと言うのが基本だろうが、自然そのものも人間が変化させてしまった。
3羽、5羽と青空に舞い、田を移動していた。
雄大な磐梯のふもとを旋回して、猪苗代湖へ移動していく。
上空を、青い空を、真っ白な美しいコハクチョウが飛んでいく。何と美しいことか。
田では、羽ばたきをし、カーウ、カーウと鳴き合っている。一体、何を話しているのだろうか。
それにしても純粋無垢なコハクチョウが愛おしくてならない。
早春3月に、北の地を目指したコハクチョウたちが、数千キロ離れた猪苗代に戻ってきてくれた。
猪苗代湖へは、毎年約3000羽のコハクチョウが訪れるが、オオハクチョウは数十羽だそうだ。
他の水鳥は、オナガガモを中心に、マガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモなど、冬の一番の楽しみだ。
これから約半年、また沢山の水鳥たちと楽しい付き合いができると思うと嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいだ。
ときどき雪の湖畔を訪ねたいと思っている。少しのパンぐずを持って。
こんな写真が撮りたくて、毎年今の時期が一番です。
田が雪に覆われると、ほとんど湖水で生活しています。
多分、食べ物が不足しているようでかわいそうです。
3月の別れまで、またしばらくけなげな水鳥たちに大切なものをもらいたいと思います。