エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

別れの寂しさ

2007-02-17 | 日々の生活
      【北アルプスを背景に青空へ飛び立つ白鳥の群れ】
        -信濃毎日新聞(ネット2月16日付)-

 信濃毎日新聞によると 安曇野で白鳥の北帰行が始まったという。義姉の住む安曇野市明科中川手で撮った飛び立つハクチョウの写真が載っていた。まだ2月半ば、こんなに早かったのかと思ったが、記事によると例年より2日早いとのこと。ここ数年、安曇野全体の飛来数は千羽を超えていたが、今年は暖冬のためか少なめで1月中旬のピーク時でも800羽ほどだったそうだ。
 こちら猪苗代湖でも、新聞報道では今年の飛来数は9188羽で、昨年より約2割少なかったそうだ。暖かいと、それほど南下する必要がないからなのだろうか。
ほどなく猪苗代湖のハクチョウも北帰行が始まる。飛び立つハクチョウとの別れは切ないものだ。「カウ カウ」と鳴き叫ぶ、か弱き者達は何を思いシベリアを目指すのだろうか。別れはなぜにこんなに切ないものなのだろうか。

 ようやく巡る春は別れの季節である。思えば私にも幾多の大きな別れがあった。
 振り返ると、郷里を遠く離れての進学、社会人としての出発、そして教員としての生徒や同僚との別れ・・・。その折々の場面や顔が浮かんでくる。
 別れには主体としての旅立ちと、残されるものとしての別れがあると思う。
前者は、何か多少の発展を伴う爽やかな心境があったような気がする。しかし、残されたものの別れの寂しさは、思うに実に辛く切ないものだったと思う。
 「遠き別れにたえかねてこの高殿に登るかな」藤村の詩を口づさむとき、いつも、こみ上げるものがあった。
しかし、どんな別れも、二度と会えない永遠の別れには及ばない。たまに、父にも、母にももう会えない寂しさを思う。だからこそ、共に生活する家族や周囲の人たちとの日々を大事にしなければならないと思う。

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