
アカツメクサの花にクモガタヒョウモン
昼食を終え、里山へ出かけた。最近は一人で行けるようになった。
ついこの前までは妻がついてきていた。途中で倒れられると困るからだったが、その心配もなくなりすっかり健康になった。嬉しい。
今日は2時間の予定で、A,B,Cの3地点を巡ってきた。
A地点は、昨年末からほとんど伐採されすっかり見通しの良くなった峠道の鞍部、小さな田や畑のある狭い空間だ。
小さな流れにカワトンボやオニヤンマのいたところ。
雑木林を縫って流れていた疏水もコンクリート側溝に変えられ、周囲の環境が工事でだいぶ壊された。
クサネムが生い茂っていた休耕していた田も消えたからか、この春、例年あれほどいたキチョウが全く見られなかった。
いつも悠然と飛び交っていたオニヤンマも心配している。
オニヤンマは羽化してからは1、2ヶ月ほどの寿命だが、ヤゴは3、4年もかかって育つ。流水性のトンボ類はすこし心配だ。
大分緑も色濃くなり、ときどき照りつける日差しは一段と強く感じられた。
満開のカマズミにクモガタヒョウモン、コチャバネセセリが吸蜜に来ていた。
むせかえるような香りに誘われ、ハナムグリ類も夢中で花粉を食べていた。
真っ黒に成熟したハラビロトンボ♂を見かけた。羽化したばかりか、動きの遅いヤマサナエがじっと止まっていた。





B地点はいつものトンボの観察ポイントだ。単独で産卵するクロスジギンヤンマを撮った。
先日かなり発生していたエゾイトトンボは、数組が連結産卵を繰り返していたが、めっきり数が減った。
時間帯のせいだろうか、シオヤトンボもヨツボシトンボも少なかった。
小さなコサナエがホバリングする姿がかわいい。
目の前でクロスジギンヤンマが産卵を始めた。
ギンヤンマはオスとメスが連結したまま産卵するが、クロスジギンヤンマは単独で産卵するのだ。
産卵の光景を見るたびにいつも愛おしさがこみ上げてくる。

C地点、ついこの前まで楽しみに訪れていた柳の木には、虫たちの姿が全くなく、さびしかった。
あれほど飛び交っていたルリタテハ、シータテハ、ヤマキマダラヒカゲ、そしてそれらを追い払いながら幹を食いちぎっていたオオスズメバチ、
みんなどこへ行ってしまったのだ。
切なく寂しいおもいだった。これが自然の摂理だというのか。
”むかしの夢の 懐かしく
訪ね来たりし 信濃路の
山よ小川よ また森よ
姿むかしの ままなれど
なぜにかの君 影もなし ”
伊藤久男の歌った「高原の旅愁」の気持ちそのもだった。涙が流れそうだった。
明日の命を残して自然に帰って行ったのだろう。
厳しい冬を越して元気に飛び回っていた姿がまぶたに浮かんでくる。また、夏の暑い日に彼らの子孫が乱舞する姿を想像した。
帰路に着くと、コゴメウツギノの花に、翅の傷んだウスバシロチョウがひらひら舞いおりた。
さぞ疲れただろう。お疲れ様、また来年元気な仲間と会おうと、労いの言葉をかけた。また、せつなさがこみ上げてきた。
ふと横を見ると、アカツメクサの花にクモガタヒョウモンが蜜を吸っていた。
やはりほかのヒョウモン類より一足早い出現だ。
去る者、生れいずるもの、自然界は何と規則正しく流れて行くことか。

楽しみにしていたカンボクがきれいに咲き始めていた。
お皿のように白い5弁の装飾花がとりまいてきれいだ。3つに裂けている葉が特徴だ。
まだ少ないがハナムグリ達が花に頭を突っ込んでいた。これからハナカミキリ類が集まってくることだろう。(2010.6.10)


昨日は天気が崩れる前にと思い、ヒメシジミを見に行ってきました。
ハヤブサが貴重な土産を持って帰りましたね。
先日、貴ブログの「小惑星探査機 「はやぶさ」に学ぶ」でいろいろなことを知りました。大気圏と突入の画像に触れ言葉にならない感動をもらいました。
宇宙、地球の中の人類、人間のことを考えました。
天文が趣味のにするfujisanさんがうらやましく、遅まきながら勉強してみたいと思っています。
こちらこそいろいろ教えてください。
健康が一番。自分にとってマッチャンさんの一言ひとことに、自然の摂理とでも言う"老い"という問題に考えさせられます。マッチャンさんより多分、自分のほうが若いと思います。周りにいる人に自分は生かされています。人間一人では生きていけないと思っています。健康でいれば老いを楽しみながら捉える事が出来るかなって思います。
どうかこれからも健康に留意され、ブログの中で色々な事を教えてください。
≪マイペースで自由に歩き回れてこそ≫
その通りです。
一緒の趣味だといいのですが・・・。
最近は、身体でなく、クマとハチを心配されています。、ついつい帰りが遅くなり、しょっちゅう怒られています。
奥様のご心配は当然のことと思いますが、マイペースで自由に歩き回れてこそ愉悦のひとときですもの。
映画も美術展も音楽会も…しっかり相手と対峙したいと思う時には、わたしは、なるべくなら独りで行きたいです。もちろん、感動を分かち合いたい場合もありますけど。
マッチャンせんせいが、花や昆虫や鳥たちと会う時も同じでしょうか。