年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

べったら市 大正2年10月

2006年07月12日 | べったら市
大正2年10月20日東京朝日新聞
べったら市
小伝馬町で電車を降りるともう浅漬大根の香りが菊の香りに混じってぷんと鼻を打つ。狭い恵比寿神社は押し寄せる参詣客で芋を洗うような混雑、お賽銭を浴びせられて神主様はご本尊様よりニコニコ顔である。例の浅漬大根売りに混じって縁起・宮檀をひさぐ者、包丁荒物を売る店、切山椒、打ち切り飴、おもちゃ、かんざし等北は丸道橋から南人形町に着き、東は横山町付近まで及んでいる。あっちでもこっちでも竹の先に大根をぶら下げ振り回し「キャッ・キャッ」と叫んでいる娘子供に近いのを追い回し喜んでいる。今年の原料の大根が安価のため麹その他が高価にもかかわらず例年より1割から2割方安く、大20銭中15銭小10銭位の小売値だった。(四方商店調べ・漬物商)

狭い恵比寿神社とは宝田恵比寿神社のことで実に狭い。
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