昭和27年10月17日朝日新聞
女の学校
そろそろ「べったらづけ」のおいしい季節です。口に入れた時パリッとした歯切れの良さが江戸っ子に愛され、毎年10月19日に日本橋小伝馬町を中心して「べったら市」が立ちます.最近ではそれほど賑わっていませんが戦前は大変な繁盛振りでした。
べったら市はもともと10月20日のエビス講に伴うエビス像、大黒像、そのほかサカナ、浅づけを売る店が19日に並んだのがその起こりだといわれます。それがいつの間にかエビス講とは関係なく市が開かれるようになりました。コウジのついたつけ大根を手に持って人ゴミの中を活発に歩くので、キレイに着飾った娘さんたちはキャッキャッと言って逃げ回り、それがべったら市の賑やかな風情をかもし出したものです。
べったらづけに用いる大根も美濃や三浦の良質な生大根を使います。今では浅づけと混同されていますが浅づけは干し大根、べったらは生大根を使うところに相違があります。とにかくその生大根をまず塩づけにして一週間、それから砂糖とコウジを加えて発酵させます。それが4~5日,ちょうどつけてから10日ないし2週間たったところが一番おいしいのでそれを厚切りにして食べます。
戦後は砂糖の不足でサッカリンを大分使いました。サッカリンづけは長持ちしますが、もちろん砂糖でつけた味は出ません。しかし、最近は漬物組合の申し合わせで砂糖をいれたのが出回って来ました。値段が張って100匁80円前後、サッカリンづけは約半値になります。
東京・神田の中川屋の近藤一郎さんは、べったらの買い方・食べ方を次のように説明しました。
つけた大根を取ってみ,丸くしなうようなのを選んでください。黄色味がかったよりなるべく白い色、またつけ物屋の店先でホウロウ引きの入れ物に並べているのが見かけますが、べったらは汁が大事ですから,タルに入った買うことですね。買うときは少し汁をもらうのを忘れないように。食べる時の注意としては必要な分量だけ切り取って水で洗い、あとのものはそのまま汁につけて置く事。そしてなるべく2・3日のうちに食べてしまうことです。
新漬の大根の山やべったら市 一蓑
べったら市新漬の麹花飛ぶ 一蓑
戦後、べったら市は人出も減りエビス講の市と言う露天商が消えたということか。
女の学校
そろそろ「べったらづけ」のおいしい季節です。口に入れた時パリッとした歯切れの良さが江戸っ子に愛され、毎年10月19日に日本橋小伝馬町を中心して「べったら市」が立ちます.最近ではそれほど賑わっていませんが戦前は大変な繁盛振りでした。
べったら市はもともと10月20日のエビス講に伴うエビス像、大黒像、そのほかサカナ、浅づけを売る店が19日に並んだのがその起こりだといわれます。それがいつの間にかエビス講とは関係なく市が開かれるようになりました。コウジのついたつけ大根を手に持って人ゴミの中を活発に歩くので、キレイに着飾った娘さんたちはキャッキャッと言って逃げ回り、それがべったら市の賑やかな風情をかもし出したものです。
べったらづけに用いる大根も美濃や三浦の良質な生大根を使います。今では浅づけと混同されていますが浅づけは干し大根、べったらは生大根を使うところに相違があります。とにかくその生大根をまず塩づけにして一週間、それから砂糖とコウジを加えて発酵させます。それが4~5日,ちょうどつけてから10日ないし2週間たったところが一番おいしいのでそれを厚切りにして食べます。
戦後は砂糖の不足でサッカリンを大分使いました。サッカリンづけは長持ちしますが、もちろん砂糖でつけた味は出ません。しかし、最近は漬物組合の申し合わせで砂糖をいれたのが出回って来ました。値段が張って100匁80円前後、サッカリンづけは約半値になります。
東京・神田の中川屋の近藤一郎さんは、べったらの買い方・食べ方を次のように説明しました。
つけた大根を取ってみ,丸くしなうようなのを選んでください。黄色味がかったよりなるべく白い色、またつけ物屋の店先でホウロウ引きの入れ物に並べているのが見かけますが、べったらは汁が大事ですから,タルに入った買うことですね。買うときは少し汁をもらうのを忘れないように。食べる時の注意としては必要な分量だけ切り取って水で洗い、あとのものはそのまま汁につけて置く事。そしてなるべく2・3日のうちに食べてしまうことです。
新漬の大根の山やべったら市 一蓑
べったら市新漬の麹花飛ぶ 一蓑
戦後、べったら市は人出も減りエビス講の市と言う露天商が消えたということか。