年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

明治文芸と薔薇 中込重明著から2

2010年08月07日 | 福神漬
松林伯円と高野長英
福神漬と花香恭次郎の関係を調べてゆくうちに高野長英と戸田伊豆守氏栄との間に何かありそうな気がしていたがハッキリした史料が無く推測の域を超えていなかった。しかし中込氏の本によると高野長英伝を書いた高野長雲に黙殺された一冊の講談本がその元史料がかなり松林伯円の講談(開花の魁)を基に書いてあって、また事実関係が真実に近いものがあるという。伯円が高野長英事件の事実関係をどこで知ったかというと元南町奉行であった親しい筒井伊賀守政憲から彼の最晩年に聞いたと思われる。安政6年(1865年)82歳で死去。
中込氏によると伯円が講談に登場させる筒井政憲の扱いがどちらかといえばほぼ同時期に北町奉行だった遠山左衛門尉景元に比べると冷めているという。筒井は蛮社の獄の時、南町奉行であり、その事情を知る立場でありながら、筒井の次男・下曾根金三郎が取締の対象となっていて動けず、高野長英は北町奉行大草安房守高好に自首したという。しかし大草が急死し,水野忠邦の意向をそのまま淡白な取り調べをして永牢に判決したのが南町奉行筒井伊賀守政憲だった。
高野長英=>筒井伊賀守=>戸田伊豆守=>下曽根金三郎=>内田弥太郎=>花香恭法=>花香恭次郎=>福島事件=原種昭=團團珍聞=梅亭金駕=福神漬となる。
 福神漬の語り部ともいえる鶯亭金升はそれぞれの人物と複雑な関係がある。
コメント
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