午前5時出勤で築地市場での最後の出荷・明日は豊洲市場へ集荷してくださいと話す。午後2時に本日の出荷は終わり、残品を豊洲へ搬送。パソコン撤去し、午後6時50分に豊洲で無事デ－タ受信で豊洲市場の始動となる。明日は午前2時より築地場外市場へ初荷となる。
がらんとした築地市場の風景は見慣れない風景で思わず涙が出た。20年近く築地市場の移転会議に傍聴人として参加したがこの様な風景は想像していない。築地で生活していたネズミは急変した環境に驚くだろう。
今は眠い。明日は豊洲へ搬入した漬物の整理となる。
豊洲市場へ本格的な引っ越し初日・マスコミ報道ではタ－レ－300台が午前5時からの東京都指定の認可時間で豊洲市場に向かった。その後フォ－クリフトの走行時間となっている。
一日商品の事務機器の引っ越し準備。今はパソコンの引っ越しが最重要でその後通信機器の遮断時間の打ち合わせが結構難儀した。人気の少ない築地市場の午後にイカリ消毒の制服を着た人が築地市場を確認していた。チュウ害の報道で有名な築地市場はこれからアスベスト・有害化学物質の報道が出るだろう。今まで報道管制していたのは築地の代替施設が無かったため、行政としては止むをを得ないと想っていて、中で働く人たちは見て見ないふりをしていた。ネズミの昼間からの横行は目に余るので広く世間に知れ渡った。豊洲は閉鎖型の施設なのでカラス・カモメ等の築地市場で餌をあさっていた鳥たちはこれからどこで餌をあさるのだろうか。
夜警備の人たちと雑談。夜十時までの勤務と言う。世間の人たちの築地市場に関するマスコミ報道とどう違うか聞きまくった。結局築地市場水産仲卸の衰退はパソコンを築地市場で稼動させることが出来なかったためと想われる。狭い帳場で電源も少なくまして光ファイバ－が引けたのは都内で一番遅れた地域かもしれない。劣化した電話回線はＡＤＳＬによる通信が難しかった。一時使用したこともあるが酷かった。つまり築地市場は都内で一番インタ－ネットに縁の無い地域だった。多くの一般人が築地市場に郷愁を感じるのは、カタカナの屋号がほとんど無く漢字だらけで、最近は随分増えたが昭和レトロの世界で不景気な平成より活気のあった時代を懐かしむことを感じられる場所だろう。今でも肉体労働が幅を利かせているが豊洲市場は広すぎて小車による配送風景が減るだろう。この小車の配送風景は毎年1月5日の初セリでマグロを築地市場の場外まで運搬する人力に江戸時代の大八車のようなものである。天秤棒による配達も築地市場で10年前に見かけたこともある。さすがに銀座や築地の料亭街は遠く無理だろう。江東の警察はタ－レ－による豊洲市場外の配送を取り締まるという。チュウ王区は慣習として黙認だったようだ。早朝ガソリンタレ－が爆音を出しながら銀座の飲食店に配送する風景は築地の名物だった。豊洲でタ－レ－の取締りが強化されれば豊洲市場のガソリンスタンドから出るゴ－カ－トの集団に豊洲市場の風景とされるかもしれない。朝焼けの環状2号線の豊洲大橋を走行するタ-レ－はこの四日間しかないかもしれない。
