今日は通し稽古の後に、夕方から石崎先生(写真左)の歌唱指導。
以前にも書いたけれど、石崎先生の指導は何か『集団催眠』にかかったような、
劇団のメンバー全員を『魔法』にかけてしまうような、それくらい皆の意識や演技が変わる。
それも、その魔法にかけられている事が判るほど、劇的に٠٠٠٠٠です。
奇しくも、何日か前に『伝える事の難しさ』という事を書いたけれど
今日はそれを石崎先生の言葉から感じた日だった。
石崎先生が唄の指導をしながら、唄う人の心を読み取る。
たとえば、『ありがとう』と言う言葉を発する時に
取り敢えず『ありがとう』って言っておかないといけないかな?…
なんてことは僕らの生活の中でもある。
そう云う言葉は、取り敢えず言っておかなくちゃと言う心が
受け取る側にも伝わって、『社交辞令』みたいなものになる。
両親に『ありがとう…って言える人間になれ』と言われて育ったけれど
心の底から思っていない言葉には、重みが無いから伝わらない。
結局、受け取る側には『社交辞令』にしか聞こえない。
これは『ありがとう』に限らず、『素敵』とか『素晴らしい』とか
他の言葉でも同じだと思う。
だから僕はお世辞で『ありがとう』は言わない。
常に他人の好意や施しには、心から『有難い』と思うようにしている。
そう思えない時には言葉にしないようにしている。
だから『辛口』とか『口が悪い』と言われるのですよ。
石崎先生が唄の中で、そう云う気持ちを持って唄わないと
聴衆には伝わらないし、唄自体も軽いものになるという。
そしてその後に唄が、劇的に変わった。
優しさや、思いやりみたいなものが伝わってきて
聴いていて、心地良いものに変わって居た。
こういう『魔法』を随所で使うのが石崎先生です。
僕にすれば『神の歌唱指導』ですね。