串カツ子の旅日記

美しい国、日本。まだまだ見たい所がいっぱい。
温泉、宿屋、食べ物、紅葉、桜、街並み・・・興味の対象は尽きません。

樅峰苑

2007年06月04日 | 宿-東北

今宵の宿は、日本秘湯を守る会の宿でもある樅峰苑(しょうほうえん)。

秋田市の東南、すぐそばを雄物川が湾曲して流れる強首温泉にある。

登録有形文化財のお宿で、江戸時代は大庄屋、その後も地域一帯の中心的な役割を果たしてき、現当主は16代目というお家柄の宿だ。



昭和41年、宿として営業開始。

かつて大地主であったお屋敷が、宿賃さえ払えば誰にでも解放された訳で、「あの家に泊まった。」記念に持ち帰られた物がある。



食事処になっている、40畳の大広間の長押の釘隠しが2枚程ない。
脱落したのか?と思っていたら、持って帰られた・・・との事。

ここは、湯も良かった。

湯元から2キロ程引き湯しているが、それ以外にも何かあるようで、湯はアブラ臭臭素臭石膏臭の入り混じる濃厚な湯だった。

食事も珍しい郷土料理を食べさせていただいた。

もくずカニのかに味噌甲羅焼き

もくずカニ(もずくカニともいう)なんて、初めて食べるものだった。



焼き物はハタハタの麹漬け。
大きなブリッコ、あまり好きではなかったがこれはおいしかった。



もくずカニのつみれ汁。

カニ身だけでなく、回りの組織も一緒にたたく事でつなぎ無しのつみれとなるらしい。

この一つでもくずカニ3匹ぐらい使うという贅沢なお汁でした。

前当主の早世によって、婚家を宿としたという上品な大女将。

温厚、熱心で前向きな若旦那。

これらのごちそうを作って下さった料理長の若女将。

家族で守り、育てていかれる宿でした。