コリウール3日目も快晴で迎えたが、この日は前日と打って変わって冷たい風が吹く寒い朝であった。
この日も、郊外の風景を見るべく早朝ジョギングに出かけてみた。
昨日とは逆の西側の山へ登り、やはりいつ頃の時代のものか古い城壁が残る城跡に行き着き、丁度朝日が昇る時刻に恵まれて、感動的な朝を迎えた。
珍しい花畑が広がっている広大な散歩路が出来ていたが、放し飼いの犬が何匹もうろうろしており、怪しい珍しいモノが来たとばかりに吼えられたが、ここからも素晴らしいピレネー山脈が真っ白な姿で迎えてくれた。
さらに足を延ばしてアップダウンの山道を1時間ばかり、ジョギングを楽しんで帰路についたが、直径が約10cmもある松ボックリが路上に転がっており、思わぬ土産物を拾得した。
「早起きは、三ボックリの徳」であった。
この日は、街中の小路を何度も繰り返し歩いて、スケッチポイントを探したが、全ての街並みが画になるので、限られた1日で描くモチーフ選択に迷う程である。
この日は、ノートルダム・デ・ザンジュ教会の先にある、十字架のある小さなお祈り場?と新しい灯台に向かい、そこからの教会とシャトー・ロワイヤルを望む景色が素晴らしく、午前一番に描きあげた。
やはり、コリウールの象徴であるこの教会は外せない。
その後、また、フォービスの道やギャラリー通りに戻り、ギャラリーを覗いたり、ピンクやブルーの明るい色彩の小路風景に、迷いながらも場所を選び、取り付かれて描いていた。
狭い小路故に、脇に座って描いていると、多くの観光客から話しかけられたり、覗かれたりしながら、絵描き屋気分でスケッチを時間を惜しんで楽しんでいた。
また、あちこちのギャラリー前には、いろいろなアート作品が道端に置かれており、画家の町を実感していた。
仲間の一部は、隣の港町まで海岸道路を走る観光トラム(列車立てのバス)を利用してのバス観光は予約客などで満席で出発したが、45分の観光は期待したほどの満足感は無かったようで、スケッチ時間をロスした気分だったようだ。
昼食は、朝散歩で偶然出会った日本人シェフ(飯島真史さん)が経営するレストランへ向かい久し振りの日本の味を味わった。
料理は、特別メニューのマグロ寿司と味噌汁に野菜サラダを準備してもらい、日本語での会話が弾んだ。
聞けばコリウールにはあまり日本人が見えないそうであるが、たまにツアー客が見えるそうだ。
午後も、時間を惜しみながらアトリエ通りの洒落たアトリエやダゴベル通りのピンクやグリーンのカラフルな色彩に飾られた住宅に魅せられて、日暮まで筆を走らせていた。