パリ2日目は、朝からどんよりと重い雲が垂れ下がり、晴れたかと思えば、時折土砂降りの雨になったりの不安な天候に終始した。
午前中は、思い切って日本人向けの日本語ガイドによる『My bus』の半日市内観光に出かけてみた。
My busは、JTB系列のガイド会社で、ベテランガイドさんの案内による3時間のメニューはさすがに密度の濃い満足したものであった。
同行されたのは、14名の日本人ばかりで相互に情報交換しながらの呉越同舟となった。
市内中心部のみのバスによる観光スポットめぐりであるが、説明がわかりやすく立て板に水を流すような流暢な解説には、初めての訪問者には大変充実した3時間となった。
前日の散策と一部ダブルところもあったが、エッフェル塔やノートルダム大聖堂、モンマルトルの丘には、記念写真も撮れて楽しい想い出多いものとなった。
また、バスの目の前でオートバイの事故に遭遇したりのハプニングもあった。
モンマルトルの丘では、 『サクレ・クール聖堂』に入る時間は無かったが、この頃は晴れ間も見せて白亜のドームが輝いていた。
さらに、画家が集まる『テルトル広場』には、多勢の観光客が集まっていて狭い広場を埋めつくされていた。
この地域は、盗難など治安が良くないと聞かされていたが、確かに何となく不安定な気分を感じながらのブラ散歩になった。
展示即売されている画にも興味をもって見て歩いたが、さすがに色付けや構図などには、大変参考になった。
午後からは、再びセーヌ川周辺とルーブル美術館へと散策に出かけて 近道を取った筈が、筋を間違えたらしく思わぬところへ出てしまい、パリ市内の散策の難しさを実感。
シテ島近くを歩いていた時に、またもや目の前でオートバイと自家用車の衝突を見せられパリ市内のオートバイや車の混雑振りは、異常な状況である。
さらに、その事故直後に、近くで大事件か事故が発生したのか、パトカーが10数台が走り回り、緊張を感じた。
その後も、一日中パトカーのサイレンは、あちこちで聞き、パトカーDAYだろうかと思うほど、凄まじかった。
パリという街の治安状況を垣間見た日である。
市内の街角は、どの通りを見ても似たような風景で歩道上の美しいカフェやビルの光景など、画にしたくなる美しい街であるが、歩道での喫煙が多く、タバコの吸殻が道端には多く捨てられており、何とも興ざめであった。
路上喫煙禁止や受動喫煙防止が、普及している日本と比較して何とも理解し難いところで、率直言って『美しい街、汚い街』の印象が強い。
ルーブル美術館は定例の休館日だったため、残念ながら入館出来ず、やむなくオルセー美術館に回ったところ、ここでも時間が遅く締め切られていた。
スケッチの旅最終日も、スケッチできる時間的余裕も無く歩き回ってたっぷりとパリの薫を身に浸み込ませて、夜遅く土砂降りとなっていたパリ市内を後にした。