575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雨ふる子のそばに親の雀が来てゐる    木村緑平

2013年06月15日 | Weblog
「スズメはなぜ人里が好きなのか」(大田真也・著)を読んでいたら、
「雀の俳人」と呼ばれる人がいた、とのこと。さっそくググってみました。

雀の俳人は、明治21年、福岡県柳川生まれの木村緑平。
仕事は勤務医でした。
大正時代に、自由律の俳句誌「層雲」を知り、俳句をつくり始めます。
雀が大好きで、3000句の雀の句を詠んだそうです。

   雀にうまれてきたのではだし

   炎天すずめはだしでひろうてあるく

すずめが裸足で歩く姿が気になったのでしょうか?
とくに炎天では足の裏も熱いだろうと心配しています。
お医者さんらしいこんな句も。

   聴診器耳からはづし風の音きいてゐる

漂白の俳人・山頭火とも生涯を通しての親交をもったそうです。
昭和43年、81歳で亡くなっています。

そういえば、最近、雀が減っていると言います。
雀を詠んだ短歌を一首。

  むし暑いすずめがゐないこの街ににんげんだけが獣のにほひ   坂井修一

人間って獣の仲間なんでしたね。
でも雀ほど可愛くないかも。        遅足


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする