575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

母の膝のぼれば生姜の匂いする 遅足

2022年10月28日 | Weblog

 

最近なかなか句が浮かばないとおっしゃる作者でしたが、

今回の題詠「生姜」はさらさらと口をついて出てきたそうです。

「年をとると不思議に母への思いが強まるようだ」とは、先日のお茶会での話。

特に男性は・・というのですが、いかがでしょうか。

 

選者コメントです。

等さん: 匂いはすぐ消えてしまうものですが、そんな遠い昔のことが思い出されるものですね。

麗子さん: 母を思慕する一句。中七の「膝にのぼれば」に幼き日の作者が見えるような気がしました。生姜の香りがするお母さん。会いたいですね。

 私もいただきました。

香りと思い出は繋がります。この母は絣のモンペをはいていたのではと想像がひろがります。

 

もう一句、生姜と母を取り合わせた句があり遅足さんもとられました。

 新生姜酢飯にまぜて母偲ぶ  晴代

 

作者のお母さまは、50歳そこそこという若さでお亡くなりになったそうです。

気づけば母の歳を追い越してしまった自分。

思い出の味であるお料理をつくられたのでしょう。それは新生姜の香のするお寿司・・

懐かしい味に母を偲べば、鼻と胸の奥につんとくる恋しさと切なさ。

 やはり生姜は母と結びつくように思います。 郁子

 

コメント (1)
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