老朽化で廃寮が取りざたされている京大の「吉田寮」をテレビでご覧になって詠んだと作者から伺いました。
私はよく知らなかったのですが、吉田寮は築年数110年にもなる日本最古の学生自治寮なのですね。風呂なし鍵なし上下関係なし。最高の秀才たちが集ってそれこそ口角泡を飛ばし、夜通しこの国のことや青春の熱い思いを語り合ったのだろうと推測すると、趣深い句だと思います。
竹葉さん: 「窓に翅」で、古びた窓に翅を広げてとまってる主のような虫が目に浮かび、「廃寮」らしさがよくでてるし、そこには詫びしさを感じさせるうす明るい白熱灯がぼうとともってることでしょう。なんか昭和が終わるようなジーンとさせる句です。
晴代さん: 翅の字が廃寮の寂れていく様子をものがたっているようです。
泉さん: 寂しさを感じる。泉
佐保子さんと私もいただきました。
網戸もかなり痛んだ窓辺にいつからいるのか蛾か蝶か。薄暗い廊下の切れかけの蛍光灯の点滅が見えるようでした。
千香子さんはどこかで見て印象的だった大きな蛾がペタッと貼り付いている景をいれたかったとか。ただ「蛾」となると季節が夏。
「翅」という文字を選んだということですがお見事でした。翅は薄くふるえるイメージ。はかなさと侘しさが強調されるようです。 郁子