試合に勝って、勝負に負けた。
そんな昨夜、七夕のフライデーナイトゲームだった。
J1恒例の金曜夜の1試合。
それが、昨夜のアルビレックス新潟-ヴィッセル神戸の試合であった。
平日の夜の試合なんて、人が集まりにくいよ。
そう思ったのだが、26,519人もの観衆が集まった。
イニエスタがいなくなったとはいえ、大迫や武藤、新潟県三条市出身の酒井高徳など、元日本代表のタレントぞろいの神戸。
それがめあてなのか、それとも新潟日報サンクスデーでもらえるペンライトがめあてなのか(?)、こんなに人が集まるなんて。
水曜夜に行われた今までの試合からすると、入っても15,000人くらいだと思っていたから、びっくりした。
試合は、予想通り、立ち上がりから神戸が前がかりになって攻めてきた。
よく知られたメンツを相手にしても、J2上がりの新潟は戦い方を変えない。
相手のプレスを受けながらも、短いパスをつなぐなどしてしのいでいたのだ。
どんな相手の攻撃でも、開始して15分もすると弱まってくるものだ。
こちらが慣れてくるというべきか。
その15分がたとうかとするとき、この試合たった一つだけのミスをおかしてしまったのが自陣ペナルティエリア前。
待ってましたとばかりに、ボールをかっさらわれて、あの神戸の「半端ないヤツ」のシュートを食らってしまった。
DFのトーマス・デンもスライディングで防ぎに行きわずかにボールに当てたし、GKの小島も片手には当てたのだけれど、無情にもボールはゴールネットを揺らしてしまった。
やっぱり先制されると苦しいのだよなあ。
だけど、ここからはアルビがペースを握った。
「デュエル(一対一)で負けないことが大事」と、最近松橋監督や選手たちはよく言うが、まさにそれを実践していた。
たしかに、大迫のポストプレーは、日本選手随一のうまさがあったし、神戸の選手たちのプレーにはさすがと感じた。。
おそらく高給取りが多いであろう神戸の選手たちを相手に、もっと安い給料で働く新潟の選手たちが負けていなかった。
神戸の自由にはさせずに競る、走る、ボールを奪う。
奪ったボールを、つなぐ、しかける、決定機を作る。
どの選手も気迫を感じるプレーを見せていた。
それが表れているのが、試合後のDAZNのこのスタッツ。
シュート数 新潟19:7神戸
枠内 〃 新潟16:3神戸
パス数 新潟571:420神戸
〃成功率 新潟80%;79%神戸
最後まで、新潟の選手はよく走りゴール奪取、勝利を目指した。
しかし、結局ゴールは生まれず、同点にもできず、新潟の敗戦となってしまった。
勝てなかったのは悔しかった。
だけど、私には負けた悔しさよりも、いい試合を見られたという感覚の方が強かった。
新潟も神戸も、悪質なプレーはなかった。
汚いファウル、ラフプレーはほとんど見られなかった。
力と技とを競い合うゲームだった。
よいプレーが続出し、2万6千の観衆はそのたびに喚声を上げたり拍手を送ったりした。
首位争いをするチームとも互角に、いやそれ以上に戦えるチーム力を見せてくれた。
気迫を感じるいい試合だったからこそ、試合後のゴール裏は「フォルツァ新潟」を歌い続けていたのだろう。
でもね。
いい試合だったね、で終わるのではなく、やっぱり勝利が見たいのだ。
いい試合はできるようになった。
あとは、フィニッシュを決めるだけ。
「入るまで打ち続けるしかない」とよく松橋監督が言うのだから、入り続ける日が来るのはもうすぐだと信じたい。
来週は、水曜夜にアウェイで天皇杯富山戦、土曜昼に同じくアウェイで札幌戦と、けが人が多いのに厳しい日程で試合が続く。
でも、チーム力でやれるはずだ。
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