ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「牧野富太郎 植物博士の人生図鑑」(コロナ・ブックス編集部編;平凡社)

2023-07-13 21:19:00 | 読む

NHKの朝ドラ「らんまん」の主人公は、槙野万太郎という植物大好きな男である。

植物学者牧野富太郎の人生をモチーフに作られている。

これがなかなか面白く、毎朝楽しんでみている。

私は、野草の花々が好きなので、ストーリーの展開だけでなく、番組ではいろいろと登場する草花が、とても興味深くて楽しめている。

 

見ているうちに、今までよく知らなかった牧野富太郎という人について、もっと知りたいと思うようになった。

そこで、まず、図鑑でよく知られている平凡社から出ている薄い1冊を選んで、図書館から借りてきた。

「牧野富太郎 植物博士の人生図鑑」(コロナ・ブックス編集部編;平凡社)

 

植物図鑑を作った牧野博士の「人生図鑑」だなんて、面白い着眼だと思った。

 

127ページまでの薄い本なのだが、牧野富太郎の人生、考え方、描いた植物、業績など、かかわりのあることが浅く広く、様々な視点から紹介されている。

内容的には、大きく、4章から成っている。

1 牧野式植物図 — とことんまで精密

2 牧野式評伝  — 草稿-青年牧野、そして植物採集のことなど

3 牧野の実り  — 図鑑と標本と蔵書

4 牧野式評伝  — 木篇-暮らしや晩年のことなど

 

ぱらぱらとめくってみると、興味を感じる絵や写真、文章に出合うことができた。

今までテレビの朝ドラで紹介されたエピソードが、事実だということが分かったり、脚色されたものだと分かったりした。

朝ドラを見ていて、牧野富太郎が描いた植物の絵や、採集した植物の標本などを、多くなくてもよいから見たいと思っていたのだが、その願いが叶う本でもあった。

ドラマで最近よく出ている石版印刷は、確かに繊細な線が美しい。

なるほど、植物誌を出版するために、印刷工場で石版印刷の稽古をしたことも本当で、実際に役に立っていたというわけだ。

 

本の終わりの方には、牧野愛用の眼鏡の写真の隣ページに牧野の言葉が載っている。

どうかみなさんも、植物に親しんでください。

そして少しでも多くの知識を身につけてくださ

い。それが一生を通じ、どれほど人生を豊かに

するかわかってもらえると思います。

 

たしかに、私が野草の草花に興味を持つようになり、その名を知ったり美しさに感心したりするようになって、精神的に豊かになれたように実感している。

 

巻末には、略年譜や主な著書、牧野ゆかりの植物園なども紹介されている。

牧野富太郎の入門書として、見やすくいい本だ。

 

次は、彼がどんなことを考えて生きていたのか、その考え方がもっとわかるような本を読んでみようと思う。

コメント
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