11月も15日だ。
早いなあ。
今年もあとひと月半を残すだけだ。
11月半ばとなると、16日は、毎年のように書いているが、父の命日。
当日は都合が悪いので、少し早いが墓参りに行ってきた。
父が亡くなったとき、27歳の若者だった私。
それから、なんと39年もたつ。
気付けぱ、父の享年56歳を10年も上回って生きている。
父の遺影も、今見ると、私の今の姿より若々しい。
父の遺影は、50代だったときのもの。
鏡に映る今の私の姿は、まさに60代後半を示す。
父の方がうんと若く見えるのも当然か。
父は、退職4か月前に急逝したから、老後はなかったのだった。
それに比べたら、私は、今そこに足を踏み入れている。
時間の長さで言えば、父より人生経験は豊かと言ってもいいはず。
だが、父よりたくさん生きている はずなのに、ちっともそんな感じがしない。
大酒飲んで屁理屈こねてばかりいた姿なんか、およそ尊敬には値しなかった。
だけど、父のことは超えられなかったように思える。
結局いくつになっても、私は成長しないバカ息子で、父に対して申し訳ないような気がする。なぜなのだろう?
きっと、父は父で、私は父の息子だから。
きっと父を超えたという思いを抱くことは、これからもないのだろうな。
「なんだ。おまえ。やっとオレの偉大さが分かったか。」
カッカッカと墓石の向こうから親父の笑う声が聞こえるような気がした。