いつの間にか、同じキャップのオレンジTシャツのランナーは、ずいぶん前に行ってしまった。
同じ60代だと思うのに、真面目なランナーとなんちゃってランナーの違いでしょうね。
まあ、そう思いつつも、自分のペースも走りやすい6分台の前半で行けているから、まあいいでしょう。
分岐点まで戻って来た。
ここから、さらに左に曲がって、また別の道に入り山の方に進んで行く。
このマラソンのあったかいところの一つに、応援看板の設置がある。
ときには立て札で、ときにはこうして電柱にしばり付けられている。
そのメッセージがいい。
これは、埼玉県から来たランナー向け。
ほかにも、60歳のランナーには、1枚1枚個人名をあげて応援看板があった。
「今までの人生に比べたら、マラソンは短い」なんて励まし文もあって、笑ってしまった。「完走めざしがんばってください」という一般的なのもあれば、五泉市の特産品の名前が書いてあって、「おいしいよ」なんてのもあったかな。
看板一つ一つを読みながら、こういう励ましのあったかい楽しさを感じていた。
そして、ゲストランナーの横田選手の名前が書かれたのぼりも、あちこちに立ててあった。
地元選手の応援もなかなか温かいものだなあ、と思っていたら、またまた急に横田選手が前方から目の前に現れ、すれ違って去っていったのだった。
ゲストランナーとして、がんばってくれている姿はうれしかった。
進んで行くと、急な下り坂を降りていく。
そして、夏針橋という橋の手前に給水所があった。
往復共に利用可能だそうだが、折り返してから利用することにした。
橋を渡ったところが、第3折り返し点。
夏針集落の方々も見守るところを折返し、橋から両側の景色を見て走る。
紅葉がもっと進んだときはきれいだろうなあ。
さっき下った急坂を上る。
下ってきたのは、仮装ランナーのガイコツ集団。
最初見た時は5人いたのに、次に見かけたときには4人になっていて、今度は3人に減っていた。
「骨が減ってるよ~!」と声をかけると、
「そうなんですよ~」との返事。
集団で仮装して走るのも、きっと楽しいんだろうなあ。
この大会の面白いところは、応援者にも仮装している人が多いところ。
急坂の途中では、わざわざここまで軽トラや自転車に乗って来て、悪魔的な仮装をしている人が2人、持っているフォークを振り振り声援を送ってくれていた。
坂を上り、また田園風景の中を走り進むと、やがて分岐点が見えてきた。
もうすぐ20kmになるが、さほど体がきつくはない。
新潟シティマラソンの42kmに比べたら、体は楽ってことだね。
だけど、そこで、若い女性2人のランナーに抜かれた。
「いよいよラストスパートですね。がんばっていますね。どうぞ、お先に。」
私がそう言うと、2人は笑ってしっかり私を置き去りにして力強く走って行った。
8kmの分岐点では、私のレプユニを見て、「がんばれ、アルビ!」と言ってくれた人がいた。
私も、しっかり「超最高!」と1年前の流行語(?)を口にして応えたのであった。
そこを過ぎ、最後の難所の急な上り坂。
さっき私を抜いた2人は、もうあんなに先を行っている。
初めてこのマラソン大会を走ったときには、この急坂を走って上れなかった。
今は楽勝かな?(速サガ遅イノダカラ、ソウ言エルノダロウ?!)
坂を上り終えると、あとは村松公園の入口まで下り坂。
あちこちに出没していた応援専門の「紅葉マン」という男性たち4人が、上下真っ赤な衣装に身をくるみながら、カスタネットをたたきながら最後の応援をしてくれていた。
本当に、このごせん紅葉マラソンは、「あったかいんだからあ~」。
村松公園のトラック部分を、おそらく今までで一番軽やかに(?)走ってゴールした。
タイムは、2時間10分を切って、9分台。
平均ラップは、6分8秒/㎞。上等じゃないか。
ゴールしてから受け取ったのは、バスタオルとスポーツドリンクとおはぎ。
パンとどっちか選べたのだけど、このおはぎを先にもらったので、これでよしとした。
まだ昼食としては足りないので、場内に出店していた食べ物の中から、「猛牛ピザ」という名称のピザ屋さんから、包み焼のピザを買った。
このピザ屋さんは、隣の阿賀野市保田から来ていたということだった。
ゴール直前のトラックを走っていた、アルビユニのランナーが来るたびに、「アルビ、ガンバ!!もう少しでゴール!!」と声をかけた。
そして、車に戻って、「いただきます」。
おはぎもあんこたっぷりでうれしかったし、ピザの包み焼きもおいしかった。
これまた満足。
最後まで雨が降らなくてよかった。
そう思ってたら、ほんの少しポツポツしてきたが気にならないくらい。
前日や前々日の予報では、「雨」だとか「気温が4,5℃」とか心配していたのに、走りやすい気候だったのが、思ったより疲れなかった理由だった。
それだけでなく、この大会に出ることで、いろいろたっぷり楽しむことができた。
走ることでは、最初から最後まで苦しくなく走れたし、アルビ談義しながら走りもしたし、タイム的にも悪くなかった。
第3まである折り返しも、他のランナーと3回もすれ違えるから、なかなかよかった。
それ以外にも、楽しいことがたっぷりだった。
村松公園の紅葉、横田選手、仮装ランナー、仮装応援者、地域の方々の声援、ボランティアの方々の支えや盛り上げ、田園風景、…そしておはぎまで。
ああ、楽しかった。
この大会は、ぜひまた来年も出たいなあ。そう思ったよ。