11月を迎えたというのに、気温が高い。
夏日にまでなるというのは、どういうことだ。
そのせいか、3日ほど前まで小さくなったとはいえアサガオが咲いていた。
でも、この花が最後かなと思い、アサガオが巻き付いていた長い棒やプランターはすべて撤去した。
代わって、やっとだけどいよいよ秋本番ですよ、とでもいうように庭のあちこちで小菊が咲き始めた。
うちの小菊は、その苗を30年ほど前に買ったものの生き残りがあったり、隣家から移ってきたものがあったり、なぜかわからないけれど生えてきたりしたものがあったり、と様々だ。
大した世話もしていないから、いつ、どこに、どんな小菊が咲くのか、全然わかっていない私。
だけど、今は、いろいろな種類の小菊が花を咲かせていて、それらを見て回るのが楽しい。
黄色い小菊。
黄色いけど、花びらの先端が丸くなくてとがっているもの。
白い小菊。
赤紫の小菊。
黄色い小菊なんだけど、少し赤が混じったもの。
花びらが細くて、先端が赤く、まるで花火を連想する小菊。
…こんなふうに、いろいろあって、楽しんでいる。
もうちょっと世話をすると、きっとわが家の庭ももっときれいな菊のガーデンになるのだろうけど、生えるに任せている。
小菊の花見をして写真に撮って、ちょっぴりゆったりした気分になっていたら、ご近所さんから、食用の黄色い菊をいただいた。
小菊ではないし、俗にいう「かきのもと」でもないのだが、子どもの頃にはよく食べていた黄色い菊。
さっそくいらない花托の部分を取り除き、花びらの部分だけ取って食べる準備。
やがて、おひたしとなって、夕食の一品になった。
菊を食す地方は、日本では多くないそうだから、家族の者たちは好んでいないが、私は昔から好きだな、菊のおひたし。
こうして、小菊を見て楽しみ、菊を食して舌鼓を打つ。
いかにも、秋が深まっていると感じるよ。