住宅街では、当初この地に家を建てた親世代から、次の子世代になって、改築する家も多くなった。
昔ながらの木造の家が、現代風の家に変わっていくのは、オールド世代としては少しさびしい気もするが、家を継ぐ者がいなくて家も土地も荒れ果てていくのよりはうんといい。
新しくなった建物には何も言うことがない。
だが、建物以外のスペースを見ると、多くの場合、がっかりする。
その理由は、ほとんどがコンクリートやアスファルトでおおわれて、なんとも無機質な感じだからだ。
大概は自家用車を止めるスペースが必要だからということで固めてしまうのだろう。
だけど、車を止めても余るスペースがあるのに、土が見えなくしてしまっているのは、どうもなあ…。
土が見えない方が、草は生えてこないから、庭の世話も必要ないだろう。
だけど、コンクリートやアスファルトの土地には生物の命が感じられない。
見ていて味気ないことこの上ないなあと思うのである。
まあ、確かに初夏から晩秋まで雑草の除草に追われるのは、仕事をもっている人にとっては無為に時間が消費されてしまう感覚になるだろうけど。
わが家の場合、除草は生前の母ががんばってくれていたし、今はだいたい妻を中心に少し私がやるというような状況である。
でも、植物が生える土の庭があるから、季節の移り変わりを感じることができる。
今の季節、春の庭は、次々に様々な種類の花が咲く。
今までロウバイ、ヒマラヤユキノシタ、レンギョウなどが咲き終わったが、
ハナモモ
チューリップ
スイセン
スノーフレーク
プリムラ
ハナニラ
オキナグサ
…などの花が、今は庭を彩っている。
その花たちを眺めているひとときは、ほっとする時間だ。
生える雑草もまだ大量でないから、草取りにかける労力も少なくすんでいる。
イチゴやオダマキ
スズランの花も咲き出したし、シランやシャクヤクの背も伸び出したからやがて咲くだろう。
手入れの大変さはあるが、土の庭に育つ植物たちの花や育つ姿を、これからも楽しんでいきたい。