やった!
平野歩夢選手、金メダル!!
すごい。
追い込まれた3回目で、高度な技をすべて完璧に見せつけた。
2回目であれだけ奇跡のような技を連続して出したというのに、なぜか得点は低く抑えられた。
なぜ!?
正当な評価をしないジャッジが何人かいた。
日本中で、皆、もやもやした思いになっていたことだろう。
そして、かなり多くの人が思ったはずだ。
平野歩夢は、五輪で毎回金メダルならず、3回連続の銀メダルとなってしまうのか、と。
ところが、彼は、残る1回の試技で、そういうあらゆる疑いや懸念をすべて払拭して見せた。
多くの選手が3回目を失敗し、転倒するのを見せられていた。
トップだったスコット・ジェームズ選手しかり、王者ショーン・ホワイト選手しかり。3回目を成功させて高得点を出すことがどれだけ難しいのかを、見る側は痛感させられていた。
そして、最後に登場した平野歩夢選手。
彼がトライしたのは、2回目と全く同じ技の連続であった。
しかも、2回目以上に高く、精度を上げて。
そのうえ、すべての技を2回目同様すべて成功させてみせた。
今度は、どのジャッジもきちんと高評価をしてくれ、96点の圧倒的1位。
これは、本当にすごかった。
試合後のインタビューで、2回目の採点について彼自身も言及している。
「2本目の点数は納得いっていなかったけれど、そういう怒りが自分の気持ちの中で最後、表現できたというか。本当にそんな気持ち。よかったです」
そう話す彼は、謙虚で実に淡々としているように見えた。
精神力が強い、とつくづく感心した。
あれだけ追い込まれながらも、正当に評価されないことを次へのエネルギーに変え、完璧にルーティンをやってのけるのだから、本当にすごい!
メンタルの強さには、敬服する。
どうして、あれほどのものを身に着けたのだろう。
だが、一緒に大会に出場した弟の海祝選手は、兄歩夢選手について語っていた。
「やっぱ小さい頃から兄ちゃんが努力してるところを見て、今シーズン一緒に大会まわって、みんなが見ていないところでもやっぱりひたすら努力してたのが兄ちゃんだったので。それを見て感動というか泣きそうになって。本当にすごすぎて。」
自分ならやれるという自信、いや確信を持てるほどの努力を重ねてきていたからこその、窮地からの大逆転だった。
同じ新潟県人として、すごくうれしい。
「新潟駅で、新潟日報の号外が配られていたよ」と、息子が持ってきた。
その第一面は、冒頭の写真。
続いて、見開きでこれまでの歩みなどが写真入りで載っていた。
そして、裏面には、地元の喜びの様子を伝えていた。
偉業の達成だけでなく、謙虚な姿勢や強いメンタルの在り方なども含め、本当に王者にふさわしいものを有している金メダリストの誕生だ。
平野歩夢選手、北京五輪優勝、本当におめでとうございます!!!