奄美 海風blog

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『「外圧」の日本史』 白村江の戦い・蒙古襲来・黒船から現代まで (朝日新書)

2023年03月29日 | 本と雑誌

「外圧」の日本史 白村江の戦い・蒙古襲来・黒船から現代まで (朝日新書)

amazon 遣唐使からモンゴル来襲、ペリーの黒船来航から連合国軍による占領まで、日本が岐路に立たされる時、そこにはつねに「外圧」があった――。メディアでも人気の歴史学者と気鋭の国際政治学者が、対外関係の歴史から日本の今後を展望する。

海があるが故の外圧も、日本独特の様相を呈する。南の島々はその通り道でもあった。
対談本は読みやすく一気に読める。アメリカのことも分かり、中国のことも詳しく知りたくなる対談だった。(この本は名瀬の書店で見つけました)


『混血列島論』 ポスト民俗学の試み 単行本 – 2018/3/24

2023年03月28日 | 本と雑誌

『混血列島論』 ポスト民俗学の試み 単行本 – 2018/3/24
金子遊 (著)
5つ星のうち5.0    3個の評価

ツイッターでも多数感想文が投稿されている。

ピンポイントで衝撃を受けたのは、P66「首狩りとしての写真撮影」

ブヌン続の一見残虐にしか思えない”首狩り”を文化的レベルで考えてみる。
想像だけではとても思いもよらなかったが、”首狩り”とフィールドワークでの写真撮影が等価と言えるのではないか、という指摘に驚き考えさせられた。

あと、

Ⅳ ヤポネシアに谺する女声
 花綵列島の独唱曲 島尾ミホ 

”島美人と口伝と唄” P226 はじっくり読んだ。

花綵(かさい=はなづな)

”谺”は、よく としか読めなかったが調べてみると・・・。 

こ‐だま【木霊/×谺/木▽魂】
読み方:こだま

[名](スル)《近世初めまでは「こたま」》

1 樹木に宿る精霊。木の精。

「―が攫(さら)うぜ、昼間だって容赦はねえよ」〈鏡花・高野聖〉

2 《1がこたえるものと考えたところから》声や音が山や谷などに反響すること。また、その声や音。山びこ。「銃声が谷間に―する」

3 歌舞伎下座音楽で、小鼓2丁を下座と上手舞台裏とに分かれ、響き合うように打つもの。深山幽谷などの趣を出す。

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非常に難解に見えるが、じっくり読んでいくと全編、基礎知識がなくても虜になるほど興味が沸いてくる。
白黒ながら写真もあってあきない。もう少しゆっくり読んでみたかった。

 


『奇妙な瓦版の世界』 江戸のスクープ大集合 単行本(ソフトカバー) – 2020/1/2

2023年03月27日 | 本と雑誌

『奇妙な瓦版の世界』 江戸のスクープ大集合 単行本(ソフトカバー) – 2020/1/2
森田 健司 (著)
5つ星のうち4.1    7個の評価

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ゆるネタはともかく、政治ネタは御法度で、見つかれば死罪もあった。
用心のために、頭巾や編み笠で顔を隠し、必ず2人1組で売り歩いた。
今のマスメディアとと違って、使命感などもない。など時代劇の印象とは大分違う。
瓦版のおもしろさの源泉はそこにあったのだろう。

絵は美しくデザインも秀逸。

奄美の『南島雑話』風の絵もあり、ブログの写真より饒舌だ。タイトルの”奇妙な”も、その印象からきたのだろうか。

amazon 内容(「BOOK」データベースより)
江戸のゴシップ紙?!庶民を沸かせた大事件簿100!違法出版物として江戸の庶民の好奇心を満たして来た「瓦版」を解説とあわせて掲載。その魅力を初めてビジュアル面から紹介!


『82年生まれ、キム・ジヨン』2018年12月初版第一刷

2023年02月27日 | 本と雑誌

発売当初、名瀬の書店にも並んでいるのを見た記憶があるのだが、
これは別のルートで入手した。

それから何年か積読してあった。

本書は韓国の子育て女性の辛い現状(それだけではないが)について書かれているのだが
読書中、偶然、本書のテーマの背景に関連する次の2つのニュースを聞いた。

その1 韓国、29兆円超投入でも止まらぬ少子化 出生率過去最低0.78、OECD平均の半分以下
2/26(日) 9:51配信 ヤフーニュース(西日本新聞)

金だけでは解決も難しそうだ。

岸田首相は22日、急速に進む日本の少子化に懸念を示し「社会機能を維持できるかどうかの崖っぷちに立たされている」と強い危機感をあらわにした。それと共に「異次元の少子化対策を実現する」と岸田文雄首相が最近、「異次元の少子化対策を講じる」と宣言。

本書の、日本人による解説も秀逸だった。先に読んでいたほうがよかったかなと思う程。
本書がフェミニズム小説に分類できるというのもその解説で知った。

ニュースその2、フェミニズムの旗手にして、おひとりさまの教祖とも言われる高名な女性の社会学者が実は入籍していたことを週刊文春3月2日号が報じたのも先週だった。(結婚ではなく入籍という表現なのだが)

本書が原作の映画もある。予告編の映像を見ただけでも原作の印象がだいぶ変わってみえる。
韓国社会は日本と似ているようでもあるが、背景の大きな違いも見えてくた。(徴兵制、若者の政治意識など)

『82年生まれ、キム・ジヨン』予告 10月9日(金)より 新宿ピカデリー他 全国ロードショー

わたしは世代的にどうしても韓国に対し”ゴールポストを動かす国”または”反日教育”などの偏見が完全にはぬぎきれないのだが、本書(少し変わった小説だ)を読むことで、それだけではない韓国も見えてくるし、日本の現状を見つめなおすきっかけにもなったと思う。


『映画を早送りで観る人たち』 ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 (光文社新書) 新書 – 2022/4/12

2023年01月28日 | 本と雑誌

映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 (光文社新書) 新書 – 2022/4/12
稲田 豊史 (著)
5つ星のうち4.3    501個の評価

名瀬の書店で。

"映画を早送りで観る人たち"というテーマでこれだけの話の拡がり、そして深まりがあるなんて驚き。
目次を見ただけでは想像できなかった。
時代が見えてくるだけでなく、倍速視聴を様々なことに例えているうちに話は深くなり物事の本質論、哲学的に。歴史の教科書などは、超倍速、10年飛ばしといったところか?などと考えさせられる。
映画などあまり見ないという人にもワクワクして読めるかもしれない。
おまけとして、観てみたい話題作もいくつか見つかった。


『22世紀の民主主義』 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書) – 2022/7/6

2023年01月19日 | 本と雑誌

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書) 新書 – 2022/7/6
成田悠輔 (著)
5つ星のうち4.3    2,050個の評価


名瀬の書店で見つけた。去年暮れごろだと思う。
著者の〇□の眼鏡はネットですでに知っていたが、本を読んだのは初めて。

”専門外にみえる日本の政治”を解説するキレキレの語り口が非常に”新しい”。
わかりやすい。スピードがあって一気に読めた。写真も豊富なのも今風だ。(百文は一見にしかず)

各論になって
データ・アリゴリズム・ポエムに関する専門的な用語には少し難儀したものの、ちょっとのがまん。意外に親切な説明だ。

「選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」なんていつのことだろうと思うこともあるが22世紀まではあと少し。
名瀬のスーパーでも、セルフレジがこの夏に一夜にして現れて驚いたのだったが、今ではなぜもっと早く登場しなかったのか、と思うほどだ。

選挙もあっと言う間にそんなふうになるのかも知れない。政治家がネコになる日も・・・、あるいはすでにそうなりつつあるのかも知れないと思わされる本であった。Youtubeでこの本に関する著者の対談を見てそうおもった。(しかし”そこいらのおじさん”にとっては乱暴に聞こえるとところもあった。またしても議論が分かれる本だと思う)


動画 きょうの大浜海鵜の羽乾かし。波の音 鳥の声 ヘリの音

2023年01月15日 | 本と雑誌

★普通、鳥は水をはじくため羽に油があるのだけど、
水中では油は浮力を生じるため潜って狩りをするには不利。
なので、水中で魚などを獲る鵜の仲間の羽は水をはじかない。
そのため潜るとびっしょり。そこで海鵜は海から上がると羽を広げて乾かしているのだそうです。


『知らないと後悔する 日本が侵攻される日』

2022年12月18日 | 本と雑誌

知らないと後悔する 日本が侵攻される日 (幻冬舎新書 663) 新書 – 2022/8/24
佐藤 正久 (著)
5つ星のうち4.3    107個の評価

ーーー
(最近は左翼系の本にはなかなか巡り合わない)

そんな中
名瀬の書店で見つけた。

大き目の文字で行間も広く読みやすい。
文章も平易で写真、地図も多く、初心者でもわかりやすい。

侵略でなく侵攻というタイトルが気になって調べてみると。

wikipedia "侵攻(しんこう、(英: invasion)"最終更新 2022年10月13日 (木) 17:08

軍事学
「攻撃 (軍事)」および「占領」を参照
侵攻は、ある国家・武装勢力が別の国家・武装勢力に対して攻撃を仕掛けて、その領土・勢力圏を侵す行為を指す軍事学上の用語である[要出典]。侵攻は、自衛の対義語である国際法用語としての侵略(aggression)とは異なり、必ずしも相手方の主権や政治的独立を一方的に侵す目的とは限らない、価値中立的な概念である。戦争自体が自衛目的かどうかとは関わらないので、たとえ戦争全体が侵略戦争にあたる場合であっても、その中で行われる個別の軍事行動について敵国領土への攻撃かどうかによって判断して、侵攻と呼ぶこともできる。なお、「侵略」の語についても、純軍事学的観点から、侵攻と同義に用いることもある[要出典]。

そして

侵攻と呼ばれることがある事例
ノルマン人のアイルランド侵攻(1169)
モンゴルのポーランド侵攻(1240)
モンゴルの樺太侵攻(1264-1297)
駿河侵攻(1568)
豊臣秀吉による朝鮮侵攻(1592)
琉球侵攻(1609)
ドミニカ侵攻 (1761年)
セイロン侵攻(1795)
ロシアによるフィンランド侵攻(1808年)[7]
ポーランド侵攻(1939年)
ソ連によるフィンランド侵攻(冬戦争)(1939年)
ドイツ・ハンガリー・ポーランドによるチェコスロバキア侵攻(1939年)
ナチス・ドイツのフランス侵攻(1940)
ユーゴスラビア侵攻(1941)
新疆侵攻(1949)
ワルシャワ機構軍によるチェコ侵攻(1968年)[8]
ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻(1979年)
アメリカのグレナダ侵攻(1983年)
パナマ侵攻(1989年)
クウェート侵攻(1990年)
アメリカのアフガニスタン侵攻(2001年)
アメリカのイラク侵攻(2003年)
レバノン侵攻 (2006年)
ロシアのグルジア侵攻(2008年)[9]
ガザ侵攻 (2014年)
ロシアのクリミア侵攻(2014年)
2022年ロシアのウクライナ侵攻

====

最終更新 2022年11月11日 (金) 02:30のwikipedia"琉球侵攻"には、
「軍事侵攻 奄美大島へ」の項で
薩摩の軍船が奄美大島 徳之島 沖永良部に入った様子や各地の抵抗の様子などの記述がある。
そこには”当時の奄美大島は琉球王国の支配下にあったが、大島での戦闘は一切無く[15]、大島の現地首脳(按司)は中山王府を見限り、薩摩に全面的に協力した[16][17]”とある。


『生き物の死にざま』 単行本 – 2019/7/11

2022年12月16日 | 本と雑誌

生き物の死にざま 単行本 – 2019/7/11
稲垣 栄洋  (著)
5つ星のうち4.3    843個の評価

名瀬の書店で見つけました。
”生きざま”ではなく、死にざまなのが注意を引いて目次をめくる。
11 生きていることが生きがい クラゲ。
「不老不死のクラゲ」として知られるベニクラゲの話が面白い。
19 老化しない奇妙ないきもの ハダカデバネズミ。
も。

植物の生存戦略や生き物の生態はまあほとんど不思議なのですが、
考えてもそれ以上長つづきしない。それで、ときたまこんな本を読みたくなる。

この本は売れているようだ。 アマゾン 843個の評価 売れ筋ランキング188位動物学

=====

ことし3月リニュアルオープンした奄美海洋展示館にもう一度行きたくなった。
クラゲの展示もあるそうだ。

 


生き物の死にざま 単行本 – 2019/7/11
稲垣 栄洋  (著)
5つ星のうち4.3    843個の評価

amazon内容(「BOOK」データベースより)
すべては「命のバトン」をつなぐために―ゾウ、サケ、セミ、ミツバチ…生命の“最後の輝き”を描く哀切と感動の物語。


南のイネ科ハンドブック 単行本 – 2020/4/21

2022年12月11日 | 本と雑誌

南のイネ科ハンドブック 単行本 – 2020/4/21
茨木 靖 (著), 木場 英久 (著), 横田 昌嗣 (著)5つ星のうち4.4    10個の評価

手元の新書判の本と同じ横幅、1センチほど縦が長い。

第一弾 ↓

イネ科ハンドブック 単行本 – 2011/3/4
木場 英久 (著), 茨木 靖 (著), 勝山 輝男  (著)5つ星のうち4.6    39個の評価

も借りて読んだが、ほんとは買って持ち運びたい。

本土のイネ科と南のイネ科の違いは”キビ亜科が多い”という。

用語解説、グループ検索、がありがたい。

標本の原寸大カラー写真、全体図、黒背景の特徴の詳細図もわかりやすい。プロの目線と技を感じる構成。

イネ科は同定がむずかしい分、対象は身近にあって種類豊富、生育環境も様々だ。仲間と山歩きに持ち運べば楽しいかも。地味なイネ科のおもしろさを知れば”通”になった気分。


アメリカの教会~「キリスト教国家」の歴史と本質 (光文社新書) 新書 – 2022/10/19 橋爪 大三郎 (著)

2022年12月04日 | 本と雑誌

名瀬の書店で見つけた。宗教の問題は昨今国会でも議論されタイムリーであった。

著者も述べているように、アメリカは日本にとって国の命運を左右ほどの国なのにこういう本は非常に少ない。それはキリスト教の信者がほとんどいない(人口の1パーセントくらい)、読む人が少ない、書く人もいない。(ただし、森本あんり著『キリスト教でたどるアメリカ史』2019年)があるという。

本書はふつうの新書の2冊分ほどの厚さで、アメリカの教会の現在について、宗派別に、広く詳しく辞書的に書いてある。非常に幅広く熟読は骨が折れそうだった。しかし、がまんして読んでいると、ところどころ非常に大事で目から鱗が落ちることがいくつも出くわした。ざっと一読したあと、目次で興味ある部分をさがしてWikipediaで調べてみる方法も良さそうだ。


 

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2022年11月22日 | 映画


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2022年11月17日 | 本と雑誌

白く咲いても冬の花 サザンカ 

街のお店には来年のカレンダーや手帳、謹賀新年のポスターもそろい、ジングルベルもなっていた。

 

 

 


『曙の獅子』 薩南維新秘録 薩英戦争編 読了

2022年11月13日 | 本と雑誌

主人公の相良金次郎は薩摩藩で低い身分の架空の人物。
精忠組の巨頭、有馬新七(尊攘派志士、桜田門外の変離脱、寺田屋騒動)の弟子という設定。
薩摩藩の若き家老、小松帯刀の窮地を救ったことでその家来として抜擢され奄美(大島)から帰還した西郷吉之助を監視する密命を受ける。

西郷ではなく小松帯刀にスポットがあたる。

南日本新聞2018年1/1日から19年3/5日まで連載した小説に加筆したもの。

==

曙の獅子 薩南維新秘録 大政奉還編につづく

 


『五代友厚と北海道開拓使事件:明治十四年の大隈追放と五代攻撃の謎に迫る』単行本 – 2022/7/11

2022年10月17日 | 本と雑誌

五代友厚と北海道開拓使事件:明治十四年の大隈追放と五代攻撃の謎に迫る 単行本 – 2022/7/11
末岡照啓 (著)


amazon 大阪発展の恩人、五代友厚の汚名を晴らす。明治十四年に官有物の払下げを出願したとされる五代は、不当に安く払下げを受けたものと激しく批判され、後世「政商」呼ばわりをされるに至った。果たしてそれは事実なのか?
本書では、当時の新聞記事だけでなく、一次史料によって五代の汚点とされる開拓使官有物払下げ事件が、どのような経緯で推移したのかを、洗い直すとともに、大隈重信が追放された明治十四年の政変の謎にも迫る。

 

明治5年1872年に、日本に鉄道が開業して今年で150年。
先日たまたま、鉄道建設をめぐって西郷隆盛と大隈重信の対立をあつかったTVを見た。

番組には五代は登場しなかった思うが、

時がうつって本書では、明治十四年の大隈追放と五代攻撃の謎に迫る。
謎の多い14年政変と払下げ事件。事実関係も複雑で、理解にはかなりの背景知識が要求される。
当時の新聞の誤報で、政商とよばれイメージが(いまだに)よくない五代の「潔白」を丹念に解き明かす。

読んでいるうち、なんだか昨今のワイドショーの問題も浮き彫りになってきた。

西郷隆盛や大久保利通とともに「薩摩の三才」ともいわれる五代は大阪に5体も銅像があるそうだが鹿児島では
西郷と大久保の陰に隠れがち。五代と西郷、大久保の違いを知ることは、ついには奄美を知ることになりそうで五代の本は何冊か読んだ。本書はその中でも最新でしかも緻密な学術書。かなり飛ばしたが、なんとか読了にこぎつけた。五代はなぜ沈黙したのか、少しわかったような気がする。当時マスコミと言えば新聞だが、新聞の本質は今も変わらない。


五代友厚 ; 天保6年12月26日(1836年2月12日) · 明治18年(1885年)9月25日(満49歳没)
西郷隆盛;1828年1月23日(文政10年12月7日)- 1877年( ... 死没, (1877-09-24) 1877年9月24日(49歳没)

ともに49歳没

 

鹿児島でも西郷隆盛、大久保利通と比べあまりにも知られていない。その残した業績を知ると、不思議なほどである。

西郷は五代をどう思っていたのか、このブログの記事から探した。

1、武勲派ぞろいの薩摩藩にあって、薩英戦争で捕虜になったこと

2、官尊民卑の風の強い鹿児島(奄美はもっと強いか?)で、維新後、官を辞し民へ転じたこと

3、北海道開拓使官有物払い下げ事件もゼニカネの話を嫌う人たちには、いやがられたのだろう。

これは何も鹿児島だけでなく、これまで名前が知られなかったのは、全国的にそうであったのだろう。

しかし、五代は、西郷や大久保よりはやく、西洋文明に接し、海外渡航も多い。西洋のすごさを、軍艦や鉄砲だけでなく、その商売(貿易)に目をつけた。

同じ島津斉彬に抜擢され中央政界へ躍り出た西郷にしても、外国語ができ、いち早く日本の近代化のビジョンを持っていた五代は肌が合わず、維新の前も後も、扱いにくかったのだろう。

五代を知ると、これまでの奄美の歴史の見方も、いくらかは変わったような気がする。===
wiki 五代才助の上申書

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『五代友厚 商都大阪を築き上げた「英雄」の生涯』 – 2016/1/28
2016年08月01日 | 本と雑誌

「西の五代、東の渋沢」ともいわれ、大河主人公の渋沢栄一と「明治財界の指導者」として相並んで位置する五代友厚。
しかし、教科書でもいまだに、あの「北海道開拓使官有物払下げ事件」では、イメージの悪い「政商」のままだ。

 

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『西郷隆盛』 第七巻 単行本 – 2008/2/7  海音寺 潮五郎 (著) 五代友厚 寺島宗則 新納 中三 ほか
2015年09月10日 | 本と雑誌


五代友厚はP77「日本の資本主義の上でなかなかの功績のあった人である。
着眼まことに非凡であり、この時代にしては稀有の人物であったことは疑いないが、
西郷はあまり好まなかったようである。
利欲のことにこころを馳せる人物を、西郷は性癖的に好まない。
・・・・・政治家としての西郷の重大な欠点であるが」P77

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新・五代友厚伝 近代日本の道筋を開いた富国の使徒 (日本語) 単行本 – 2020/8/29
2021年02月10日 | 本と雑誌

 

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 五代と西郷、やはり基本の「富国」と「強兵」に行きつくのか。時がうつり時代が変わって、これは今現在の奄美の状況を考える上でも〇×ではない、有効なワードだろう。